天理時報2021年11月24日号5面
skittoすきっとしたぎ気分で暮らっすためにVol.37一歩一歩かい着実に歩んだ〝人生の階梯〟を語る特集STEPBYSTEPステップバイステップ「すきっとした気分で暮らすために」をコンセプトに、著名人へのインタビューや対談などを掲載しているインタビュームック『すきっと』の最新第37号が12月1日に発売される。今号のテーマは「STEPBYSTEP」。特集では、大相撲・横綱の照ノ富士関、漫画家のヤマザキマリさん、映画作家の河瀬直美さんが、これまでの経験で培った人生を歩むうえでの信念を披歴している。さらに、人気コーナー「ヒューマン」では、今夏の東京2020パラリンピック閉会式で演奏を披露した「7本指のピアニスト」の西川悟平さんが、難病のジストニアを発症したからこそ得た気づきについて語っている。ここでは、特集とヒューマンの中から〝光ることばをピックアップする。ヒューマンhumanNishikawaGohei西川悟平ピアニスト「君にもできる」の思いを込めて-2億5千万人へ届けた音―いま世界の国々で演奏させていただいていますが、当然、楽譜どおりのテンポでは弾けない曲もあります。けれど、そのおかげで見つけたことがあります。テンポを落として弾くことで、これまでとは違った曲の表情をつくり出せるようになったのです。一つの音の余韻を響かせながら、そこへまた別の音を乗せていく。一つひとつの音、音の粒に対して、より深く考えることができるようになりました。そうすることで、僕だからこそできる演奏、曲の響きを出すことができるように思うんです。そのことに気づいたとき、ふと「ジストニアよ、ありがとう」と思えた。動かない指ではな動く指のほうに目が向いたというのでしょうか。僕にはまだ動く指が七本もある。そのことが奇跡のように感じられる。当たり前のことが、当たり前ではないことに、ジストニアが気づかせてくれたのです。河瀬直美映画作家バスケットボールと映画制作東京五輪を通じて一本の道に島国の日本では、どうしても多様性というものが排除される傾向にありますが、これからの子供たちには、世界にはいろいろな考え方があることを知ってもらいたい。それを排除するのではなくて、自分のなかで理解し、対話を重ねて次の一歩を踏み出していく。そういう行動をしてほしいと思うんです。私は映画を通して世界の常識というものを、ある程度見てきました。それはまさに目から鱗が落ちる体験でした。受け入れるには自分を壊さなければならないくらいの苦悩もありましたが、それを乗り越えた瞬間から、すごく自由になれたように思います。その一方で、私たち固有のものを失ってはいけない。外の新しい文化に触れ、そこに私たちの素晴らしい文化を融合させ昇華させていく。そういう柔軟性のある子供たちが育まれることを願っています。時報俳壇ふじもとよしこ選もとはるや灯火親しむ本屋街埼玉県金谷拍子木の音色変わりし今朝の秋堺市加藤恵秋薪を割り清貧なれど紅葉酌む旭川市藤崎実神泉の湧きくる音に萩の風大津市平井紀夫夫古辞書に母の棒線秋灯下尼崎市前田禎子秋茄子や切り捨ててこそ蘇る天理市梶谷政徳姿見に届く吉報藤袴橿原市十五夜に雨戸を引けば琴の音天理市北をさむスダチの香吾に小さき幸ありて阿南市数延仁父母の齢を超えし温め酒札幌市田森つとむ八十の書の手習ひや新茶酌む江別市杉山忠和口の端にみかぐらうたを月昇る豊川市菊地美智代学び舎のチャイムの澄みて秋高し天理市中山富貴星月夜御伽噺を聞く童奈良県松村ヒロ子皮剥の指を労ふ栗の飯名張市霧道三明小豆たき明日は大祭赤御飯箕面市志賀恵美ありがとう言える介護や秋の空高崎市正田久美代飲友の理由は如何でも新酒会川崎市木倉井鷹子空高し時報に載りし吾のエッセイ東京都坂田鏡介栗飯の香りも湯気もおすそわけ今治市仙波絹子山国やどっと松茸籠の中飯田市本島美紀八幡平眼下の木道草もみじ柳井市冨山栄子茜さす山鳥の来る熟し柿吹田市芳雄木の実落つベンチの足に鳥遊ぶ水戸市直子梨狩の金剛葛城指呼に置き天理市かんろだい月の光の降りそそぎ小樽市文化祭占い館の長い列横浜市及川秀代選者詠角なき鹿ぬた場に泥の威を纏ふ【評】金谷さん秋の夜長に、灯火親しむ読書好きな作者。本屋街を「もとほる」に心境がよく表現されています。加藤さん――立秋の朝、おつとめの拍子木の音色に秋を感じる、感性の豊かな作者の佳句です。藤崎さん薪割りに北の国の情景。そして、華やかではないが、紅葉の賀を楽しむ作者。あたかも庵の風情ですね。新年号は、12月6日までの到着分から選歌・選句。投稿は新年に関する短歌3首、または俳句3句まで。お名前(ふりがな)、電話番号、住所を付記のうえ、左記までお送りください。〒632-8686天理郵便局私書箱30号「時報歌壇」または「時報俳壇」係Eメール[email protected]