天理時報2021年11月10日号8面
TenriSports[天理スポーツ]2季連続21回目のリーグV天理大硬式野球部天理大学硬式野球部は、10月16日の阪神大学野球秋季リーグ第7節1試合目の甲南大学戦に勝利し、2季連続21回目のリーグ優勝を決めた(写真)。春季リーグで優勝した同部。就職活動などで最上級生が引退するなか、岩本大輔・新キャプテン(3年)のもと、「成長」をテーマに掲げて始動した。エースは、力強いストレートが武器の井奥勘太投手(4年)。3年生の春から秋にかけて急成長し、冬には大学野球の日本代表候補メンバー入りを果たした。また、堅実な守備が持ち味の吉田元輝二塁手(2年)と身軽なプレーで広範囲を守る友杉篤輝遊撃手(3年)の二遊間の守備は堅く、投手陣を援護する。一方、打撃面では、友杉選手や渡邊愛世選手(同)など、クリーンアップに長打者がそろう。秋季リーグ開幕戦となった9月5日の追手門大学戦。先発の井奥投手が七回までを4安打無失点に抑えて2-0で勝利。続く第2試合も白星を重ねた。第3節の神戸国際大学戦では、初戦を6-0で完封勝利すると、2戦目では先発に1年生の斎藤佳紳投手を起用。斎藤投手の好投もあって、天理大がリードを奪うと、その後は2年生3投手の継投により5-0で勝利した。藤原忠理監督(56歳)は「後半戦に向けて連戦が続くので、ここで一度、投手陣の様子を確認したかった」と話す。こうしてリーグ1位で甲南大との最終節を迎えた。初戦、先発の井奥投手が六回まで相手打線をヒット2本に抑えると、その裏、天理大は1アウト一、三塁の場面で5番・岩本主将がタイムリーヒットを放ち、2点先制。その後も打線がつながり3-0とすると、井奥投手は後続をピシャリと抑え、無失点で勝利。同日、リーグ2位の大阪産業大学が敗れたため、天理大のリーグ優勝が決まった。翌日のリーグ最終戦を9-7で勝ち、秋季リーグを10勝2敗で終えた天理大。チームからは、井奥投手が最優秀選手賞と最優秀投手賞を、吉田選手と友杉選手がベストナインを受賞した。藤原監督は「リーグ戦で勝ち進みながら成長していくことを目標に臨んだ。優勝できたのは、選手たちが戦いの中で経験を積み、着実に成長してくれたからだろう」と語った。なお、天理大は10月31日から行われた「関西地区大学野球選手権」兼「明治神宮野球大会関西地区代表決定戦」に出場。11月3日の第2代表決定戦で龍谷大学と対戦したが、1-5で敗れ、明治神宮野球大会への出場は叶わなかった。ラグビー日本代表遠征メンバー入り天理大ラグビー部出身の2選手天理大学ラグビー部出身のファウルアマキシ選手(24歳・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ所属)とシオサイア・フィフィタ選手(22歳・花園近鉄ライナーズ所属)がラグビー日本代表に選出された。日本代表選手団は欧州遠征に出発し、11月6日のアイルランド代表などと戦う。なお、フィフィタ選手は10月23日に行われたオーストラリア代表戦でもメンバーに選ばれ、先発出場を果たした。ラグビーA級公認レフリーに天理高ラグビー部OB立川誠道さん先ごろ、2021年度の日本協会公認レフリーが発表され、天理高校ラグビー部OBの立川誠道さん(36歳・但八分教会みちのり布教所ようぼく天理市)がA級公認レフリーとなった。同レフリーは、国際試合を含む、国内で行われるすべての試合を担当できる。文芸連載小説ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン前話のあらすじトトの死から立ち直れずにいるカン。落ち込んでいる姿を見たツツは、ツツなりのやり方でカンを励ましていた。第39話きみが美味しく育つように棚田の稲が黄金色に実った。水を抜いた田んぼの土はすっかり乾いている。春に植えた稲を刈り取る日がやって来た。農家の人が簡単に要領を説明して、さっそく稲刈りがはじまった。毎年のことなので、鎌を持つ子どもたちの手つきも慣慣がれたものだ。それでも一人くらいは怪我我をする子どもがいる。真っ赤な血が驚くほどたくさん出るけれど、幸い、指を切り落としたという話は聞かない。「いい実りだな」話しかけてきたのは、いつか海に落ちたカンを助けた青年だった。わたしとしてはカンに助けられた青年と言いたいところだ。「稲がおじぎをしているだろう。しっかり実が入っている証拠だ。まっすぐ立っていてはダメで、うつむいているのがいい」カンは刈り取った稲を手に持ち、そそのの重みを確かめているみたいだった。畔畔ののコスモスが風に揺れている。彼岸花も咲咲いている。「おとうさんのこと、残念だった」。そう言って青年は、自分が働いている農場のことを話しはじめた。「省吾さんっていうんだ。わりと気に入られているらしい。喋らないところがいいって。おれ、無口なほうだから」田植えをしたのは6月だ。それから4カ月ほどのあいだにいろんなことが起こった。カンもハハも、おそらくツツも、誰もが自分の大切なものをなくした。そして稲は黄金色に実った。「一枚の田んぼでも稲の色が少しずつ違うだろう」。青年は親身な口調でつづけた。「病気が入っている稲は色づきが悪い。水が冷たかったり、風が当たらなかかったりすると病気にかかりやすい。みんんな省吾さんの受け売りだけどな」本人が言うほど無口ではなないかもしれない、とわたしはは思った。「台風、水不足、冷夏……いろんなことがある。田んぼに足を運ぶことが大事なんだ。毎日稲の様子を見ていると、ちょっとした異常に気づく。何もしなくても、気を付けて見てやるだけで植物は育つ。これも省吾さんの口癖だ」稲刈りは一時間ほどで終わった。さっぱりした田んぼに竹竿竿が置かれ、子どもたちも手伝って刈り取取った稲を干していく。こうするとお米が美味しくなるらしい。太陽の光を浴びて、お米はどんどん美味しくなっていく。カン、きみを見ていよう。注意深く見ているだけで植物は育つというじゃないか。人間だって同じだろう?トトのぶんまでわたしが見ていよう。きみが美味しく育つように。文芸小説「ふたり」のバックナンバーはこちらから