天理時報2021年11月3日号8面
TenriSports[天理スポーツ]全日本遠的大会「全射皆中」個人でV天理大弓道部下司皓太選手天理大学弓道部の下司皓太選手(2年=写真)は先ごろ、愛知県武道館で行われた第52回「全日本学生弓道選手権大会(インカレ)」に出場。「遠的」個人戦で予選・決勝ともに、すべての矢を的に命中させ、同部の選手として5年ぶりの優勝に輝いた。小・中学生のころは野球に打ち込んでいた下司選手。高校進学後、兄の影響で弓道を始めた。「基本の型に忠実に」をモットーに練習を重ね、高校3年時の「国民体育大会」弓道競技団体では、主力メンバーとして活躍し、チームの8位入賞に貢献した。その後、関西学生弓道1部リーグに属する天理大学へ進んだ。サドンデス方式の決勝制し「全日本学生弓道選手権大会」では、大学弓道のメーンとなる「近的」団体・個人戦と、60粒先の直径1の的を射抜く「遠的」個人戦が行われる。インカレに向けて、同部の選手たちは基本に立ち返るため、鏡を見ながら入念に動作を確認。大会の2週間前からは、同大馬術部の馬場を借りて遠的の試合会場を想定した練習を行った。大会当日、「遠的」個人戦の1次予選で、下司選手は2本とも的の中心に命中。続く2次予選も落ち着いて射抜いた。決勝は、的を外した時点で脱落が決まる「射詰」と呼ばれるサドンデス方式で競われる。5本目を終えた時点で射場に残ったのは、下司選手を含め3人となった。6本目からは的の大きさがひと回り小さい80センチのものに替わる。最初に射るのは下司選手と相手選手のうちの一人。同時に放たれた矢が弧を描きながら的へ向かうと、2本のうち下司選手の矢のみが命中。この後、残る一人の選手が射た矢が的を外したため、下司選手の優勝が決定した。下司選手は今大会、予選を含む全射皆中を達成。自身初の全国優勝に輝き、同部の選手として5年ぶりに遠的大会優勝を果たした。下司選手は「的を意識し過ぎて力まないよう、練習通りのペースを保って試合に臨めたことが大きかった。今後は、秋季リーグ後の『東西学生弓道選抜対抗試合』の出場を目標に、さらに精進を重ねたい」と話した。手嶋龍一のグローバルアイの真の政治指導者とは政治指導者の見立てほど難しいものはない。たとえ権力の絶頂にあって国民から熱狂的に支持されていても、時が過ぎてみると誰にも顧みられないひともいる。政治のリーダーを選ぶ側も、選ばれる側も、やがて歴史の厳しい審判を受けることを覚悟すべきだろう。外交ジャーナリストとして内外の幾多の政治家と接してきたが、現役の間は不人気だったが、退陣してみると次第に評価が高まっていったひともいる。統一ドイツの宰相だったへルムート・コール氏はその典型だろう。このひとは洒落た演説をするわけでも、派手な外交を繰り広げたわけでもない。だが、国家の行方を決める大きな判断では決して誤らなかった。東西ドイツの統一は迅速に進めるべきだと譲らず、欧州の統一通貨「ユーロ」の導入の是非は決して国民投票に委ねないと頑固一徹だった。遊説先で「ユーロ」反対を叫ぶ農民から演壇めがけてトマトを投げつけられたことがあった。筆者はその現場に居合わせたのだが、コール首相は瞬きひとつしなかった。豪胆なのか、それとも鈍感なのか。それさえ判断がつきかねる巨漢の政治家だった。重要演説を終えて自席に戻るとポテトチップスをむしゃむしゃと食べるようなひとであった。アンゲラ・メルケル首相は、いまは亡きコール氏の党を引き継いで16年、いまようやく退陣する。彼女については後世の審判を待つまでもなく、欧州での評価はかなり低いといっていい。外交通商面では中国にすり寄り、その見返りに強権的な体制を見逃してきたからだ。経済面では年金改革のような大衆に不人気な政策には手をつけようとしなかった。メルケル氏の退陣表明を受けて総選挙が行われたが、どの党も過半数を得られなかった。どうやら「信号連立」———党のシンボルカラーで赤の社民党、黄色の自民党、グリーンの緑の党が連立を組み、社民党のショルツ氏が次期首相となる可能性が高まっている。不人気に耐えても次の時代の扉を開く政治リーダーであってほしい。