天理時報2021年10月27日号8面
TenriSports[天理スポーツ]ドラフト1位で日本ハムへ天理高硬式野球部達孝太投手天理高校硬式野球部の達孝太投手(3年)は、10月11日に行われた「プロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)」で、北海道日本ハムファイターズから1位指名を受けた。天理高の現役選手が1位指名されたのは、3年前の太田椋選手(オリックス・バファローズ所属)以来3人目。達投手は身長193、88キロの右投げ右打ち。長身から投げ下ろす角度と球威のある直球、そしてスライダーやフォークなど切れのある変化球を武器とする。少年野球が盛んな大阪・堺市出身。小学4年生のとき、軟式野球を始め、中学では硬式野球のクラブチーム「泉州阪堺ボーイズ」でプレーした。天理高では1年生の夏からベンチ入り。公式戦初先発となった同年秋の近畿大会決勝で、強豪・大阪桐蔭高校を相手に八回途中まで4失点に抑え、勝利投手となった。2年生の秋からはエースとしてマウンドに立つ。3年時の春、「選抜高校野球大会」に出場すると、1回戦では宮崎商業高校を相手に1失点完投。続く高崎健康福祉大学高崎高校との2回戦では2安打完封。仙台育英高校との準々決勝でも八回3失点と好投を見せ、チームの24年ぶりベスト4入りに貢献した。”大エースへの成長に期待11日のドラフト会議では、日本ハムから単独1位指名を受けた。直後の記者会見で、達投手は「1位指名だとは思っていなかったので、びっくりしている。まずは両親にありがとうと伝えたい」と驚いた様子で話した。続いて、理想とする選手を聞かれると、アメリカ・メジャーリーグで活躍するダルビッシュ有投手(サンディエゴ・パドレス所属)ら3投手を挙げ、「3人を足して3で割ったような投手を目指す」と自身の目標について具体的に答えた。また、かねて夢だと公言してきた、将来の〝メジャー挑戦〟について聞かれると、「まずは日本のプロ野球で、誰もが納得するような結果を残すことだけを考える」ときっぱり。さらに、〝天理野球〟のファンに向けては「自分がここまで成長できたのも、やっぱり天理という環境があったからであり、自分一人の力ではない。ここまで応援してくださって、ありがとうございました」と語った。最後に達投手は「1年目は、プロの環境に慣れるのが目標。できることを一つひとつやっていって、スケールが大きくて、長くプロで活躍できる投手になりたい」と抱負を述べた。達投手を指名した、日本ハムの栗山英樹監督は「真っすぐでしっかり押しきれて、スケールとしても、もちろん日本のエースでもあるし、世界で勝負できるくらいの成長の幅がすごく大きく見えていた。5年後、10年後に、どんなピッチャーになるのか本当に楽しみで、駆け上がる姿を見てみたい。世界中の人が彼の投球を見に来るような大エース”をつくりたい」と期待をかけている。天理高のエースとして活躍した達投手は、ドラフト1位で日本ハムから指名を受けた記者会見で、日本ハムの帽子をかぶり、笑顔を見せる達投手下記QRコードから、ドラフト当日に行われた達投手の記者会見の様子が見られます。文芸連載小說ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン第38話Tシャツ、交換しようか空はすっかり秋の装いだった。波に反射する光や、海を渡って吹いてくる風の匂いから、季節が少しずつ進んでいることがわかった。「おとうさんが言うには、亡くなった人は隠れることはできるけど、離れることはできないんだって」。ツツは一息に言った。「なんとなく当たっている気がしない?」きっと家で考えてきたのだろう。その言葉はカンの耳を通り過ぎていった。あの子は一つの考えを懸命に頭から追い払おうとしていた。ツツはトトの死に関係している。彼女もまた何かを感じていたのかもしれない。しかし、お互いに自分たちがどう感じているかをうまく伝えることができなかった。そこで女の子のほうは二つ目の言葉を繰り出した。「いつかきみのために、ありえないほど速く太鼓を叩いてあげる。悲しみが吹き飛ぶくらい速く。そのためにはもっと手首をうまく使えるようにしなくてはね。指と腕を鍛える必要があるかも」カンは依然として海を見ている。「ちょっと、何か言いなさいよ」少し間があって、ツツは「えっ?」と小さく驚いたような声を出した。それから誰かを探すようにあたりを見まわした。「きみいま、わかったって言わなかった?ピノも聞いたよね」わたしは後ろ足で首のあたりを掻いた。「ひょっとして喋れるんじゃないの?」もちろん喋れるとも。あの子はずっとわたしと言葉を交わしている。その言葉が心根のいい少女よ、いまきみにも聞こえたのだろう。いつもというわけにはいかない。それはサユリさんのいう倍音みたいなものだ。まれにしか地上に降りてこない。「Tシャツ、交換しようか」。言葉を交わすかわりにツツは言った。「サッカーの選手たちがよくやっているでしょ」彼女はさっさと自分のTシャツを脱いで、カンのほうに差し出した。わたしは思わず目を逸らして成り行きを見守った。「きみも早く脱ぎなさいよ。いつまでもオッパイを出しているわけにはいかないんだから」カンは言われるままに自分のシャツを脱いだ。「ちょっとぶかぶかだな」。男物のTシャツを着た彼女は言った。「きみって思ったより大きいんだね」カンはツツのTシャツを手に持ったまま、遠い波のきらめきに目を細めている。「カンの匂いがする」。袖のあたりに鼻を近づけてツツが言った。「東京に帰ったら、きっとこの匂いを懐かしく思い出すだろうな」「ふたり」のバックナンバーを道友社HPで公開中。登場人物の相関図や作者のプロフィールも閲覧することができます。下記QRコードからアクセスしてください。