天理時報2021年12月8日号6面
「ひのきしんスクール」オンライン講座障害への理解者を増やすために「ひのきしんスクール」(村田幸喜運営委員長)は11月26日から12月2日にかけて、オンライン講座「知的障害の人と共に歩む」を開催。新型コロナウイルスの感染対策として、事前に収録した映像を受講者に限定配信する形で行われた(写真)。同講座は、知的障害のある人が、一人の人として、また社会の一員として、生きる喜びを味わい、安心して就学や就労ができるように、当事者に関わる人が、どのような心で寄り添えばよいか、そのヒントを探るためのもの。冒頭、村田委員長があいさつ。「目に見えず、分かりにくい障害が認知されるようになった現在、相手のペースに合わせて共に歩むことが重要になってくる」と話した。この後、関根健一氏(石井坂分教会長)が「知的障害の方への寄り添い」をテーマに講義。脳性まひのある長女が通う特別支援学校での経験をもとに、知的障害の特性や当事者への接し方について話を進めた。その中で関根氏は、街中で周囲の人から白い目で見られるような状況に陥っている障害者に出会ったとき、私たちがどう振る舞うべきかに言及。「正解はないと思う」と前置きしたうえで、大切なのは、当事者が、周囲から「そのままでいいんだよ」と自分が許されていると思えることではないか、と持論を述べた。また、電車内で赤ちゃんが泣いている姿を微笑ましく見守る人が最近増えているように感じるのは、幼い子を持つ親を応援する人が、社会に増えてきたからではないかと指摘。障害者に対しても、同じような目線を向ける人が世の中に増えていくことが理想的だと思うと述べ、「自分が理解者になると同時に、理解者を増やしていくことも考えていきたい」と語った。そのうえで、理解者を増やすには「説得」ではなく「納得」してもらうことが大切だと強調。自身がSNSを使って、障害に対する気づきを発信していることを紹介したうえで、「少し視点を変えるだけで、『障害のある人は、こんなにも情緒が豊かだったのか』など、違った一面に気づくことができる。もし知的障害のある人に出会ったときは、できるだけ温かい目で見守ってほしい」と話した。この後、二宮寛太氏(三机分教会教人)と中谷千秋氏(甲浪分教会甲輝布教所長後継者夫人)が体験談を発表。それぞれ障害のある人と関わる中で得た気づきや、信仰の喜びを語った。3氏がパネルディスカッション続くパネルディスカッションでは、関根、二宮、中谷の3氏と司会の白熊繁一氏(中千住分教会長・ひのきしんスクール運営委員)が登場。白熊氏の質問に、3氏が回答する形で討論が行われた。その中で「信仰者として陽気ぐらしの世界へどのような気持ちで歩んでいきたいか」という問いに対して、二宮氏は「自身の〝当たり前〟を押しつけるのではなく、相手のことを理解し、寄り添っていけるよう努力したい」と回答。また、中谷氏は「目の前にどんな困難があっても、『今日一日ありがたかった』と、心から喜べる心で通っていきたい」と話した。日本史コンシェルジュ歴女〟がご案内いたします白駒妃登美ShirakomaHitomi志持つ者がつけた道「男子の死に場所とは、どこでしょうか?」かつて吉田松陰は愛弟子の高杉晋作にこう問われました。この重い問いに、松陰は長い間答えることができませんでしたが、安政の大獄で露と消える直前に、獄中から晋作に向けて返事を認めました。「死は好むべきものではないが、憎むべきものでもない。世の中には、身は生きていても、心は死んだのと同じ人がいる。反対に、身は滅びても、魂は生き続けている人もいる。死んで不朽のことが残せる見込みがあれば、いつ死んでもよい。生きて大業の見込みがあれば、どこまでも生きるべきだ。どがいし人間というものは、生死を度外視して、今、自分がやるべきことをやるという心構えが大切なのだ」生死を超えて「志」を持て!師の魂の叫びが、晋作の胸にしっかりとと刻刻まれていたのでしょう。池田屋事件、蛤御門の変、米・英・仏・蘭の4カ国連合艦隊との敗戦、幕府軍による第1次長州征討への備えと、容赦なくピンチが押し寄せ、誰もが絶望としか思えないような局面に、晋作は嬉々として立ち向かっていきます。「今」こそが、男子の死に場所だ。元治元(1864)年12月15日、晋作は功山寺で決起します。彼に味方する者は、伊藤俊輔(博文、のちの初代内閣総理大臣)ほか80余名のみ。「是より長州男児の肝っ玉をご覧に入入れ申す」功山寺に身を寄せる長州派の公卿5名にこう宣言すると、悠然と月光冴えわたる雪道を馬で駆け抜けて出陣。ここから晋作の怒濤の快進進撃が始まりました。翌朝、下関の奉行所を占拠し、三田尻の海軍局を味方につけ、藩のすべての軍艦を掌握。この一報が駆け巡ると、晋作に味方する者が続出し一大勢力に――。2ヵ月の死闘の末、長州藩の正規軍に勝利し、ここから世界史の奇跡といわれる幕末維新史は一気に加速します。松陰から晋作への「志」のリレーが、時代を動かした瞬間でした。自らも生死を超えた志に生きた松陰の魂は、今も燦然と輝き、不朽のメッセージを私たちに送り続けています。「あなたの志は何ですか?」と。