天理時報2021年10月13日号8面
TenriSports[天理スポーツ]関西リーグ6連覇へ前進天理大ラグビー部今季の「ムロオ関西大学ラグビーAリーグ」が9月18日に開幕。天理大学ラグビー部は、近畿大学との初戦を落としたものの、10月3日に行われた関西大学戦では69-21と大差をつけて勝利。創部初の関西リーグ6連覇へ向けて前進した。7月に行われた関西大学春季トーナメント決勝では、関西勢との対戦で6年ぶりとなる黒星を喫した同部。8月の菅平合宿では、関東の強豪勢と練習試合を重ね、流通経済大学との対戦では50-0と快勝したものの、明治大学と帝京大学に敗れた。9月19日に行われた関西大学リーグ初戦では近畿大と対戦。天理大は先制を許すと、その後も苦しい展開が続き、7-23で敗北した。小松節夫監督(58歳)は「新チームで試合に臨むことへの不安や、関西大学春季トーナメントの決勝や菅平合宿での敗戦が、選手たちの精神面に影を落としていたように思う。ミスが多い試合だったので、次節までにコミュニケーションをしっかり取るなど、基本的なことの改善に取り組んだ」と話す。10月3日、リーグ戦第2節は関西大と対戦した。開始3分、パスを受けたマナセ・ハビリ選手(2年)が相手のディフェンスをものともせず、右サイドを駆け抜けて先制トライ。勢いに乗った天理大は、その後も内村祐介選手(4年)が3トライを挙げるなどして337で前半を折り返す。後半2分、グラウンド中央付近で味方からボールを受けた内村選手が、俊敏なステップで相手防御陣を突破すると、そのまま駆け抜けてトライ。スクラムでも終始、相手を圧倒し、得点を量産していく。ロスタイムにも、敵陣5ライン付近からのスクラムで、そのままボールを押し込んで11個目のトライ。69-21と大差をつけて勝利した。佐藤康キャプテン(同)は「今回の勝利はチームの自信につながったと思う。このまま調子を崩さず、残りの試合に勝利して、関西リーグ6連覇を目指したい」と話した。◇天理大の次節は16日、親里競技場で摂南大学と対戦する。天理大は攻守で相手を圧倒。大差をつけて勝利した(3日、親里競技場で)文芸連載小說ふたり星の降る夜は作/片山恭一画/リン前話のあらすじトトが亡くなったショックから立ち直れずにいるハハ。その死を乗り越えるために、ハハは毎日のパンづくりに没頭していた。第36話吹き渡るアフリカの風トトの死とともに、夏休みはあっけなく終わってしまった。町を歩きまわったり、パンを焼いたりしているうちに新学期になった。九月の終わりには、ホテルでの仕事を終えてツツたちは町を離れることになっている。その前にフウちゃんが小学校の体育館で太鼓のリサイルを開くことになった。最初に教頭先生がアフリカの話をした。アフリカは世界で二番目に広い大陸で、五十以上の国に約十三億の人が暮らしている。フウちゃんが生まれた国は、アフリカのほぼ中央に位置する。面積は日本の六倍で、人口は約半分である。先生の話が終わると、ステージの中央に楽器が運び込まれた。高い音と低い音が一本ずつ、二本が一組になった太鼓だ。舞台脇から本日の主役が笑顔で手を振りながら現れた。はじめて太鼓に触ったのは二歳か三歳のときでした、とフウちゃんは言った。最初はおもちゃとして遊んでいた。大人になってからは仕事になった。嫌なことがあったり、悲しいことがあったりしたときは太鼓を叩く。叩きつづけるうちに、嫌なことも悲しいこともどこかへ飛んでいってしま。う簡単なリズムを幾つか叩いてみせた。どれもアフリカの代表的なリズムらしい。太鼓を叩くときには腕の力は使わない。手首だけを使う。手の自然な重みを上手に生かす。腕の力を使うと手を痛める原因になる。音は指先から出ていく。そういう感覚で叩く。フウちゃんの叩く太鼓はテンポが少しずつ速くなり、リズムも複雑になっていった。一つの音のなかに、たくさんの音色が聴き分けられた。子どもたちは息をするのも忘れたかのように、ステージの上で起こっていることに見入っている。フウちゃんの指先が光っている。太鼓の皮を叩くたびに、細い光の線が飛び散る。それは放射線状に広がって体育館の壁や屋根を突き抜けた。突然、子どもたちの頭の上を風が吹き抜けた。怒りや憎しみを乗り越えて吹くアフリカの風だ。悲しみを吹き飛ば風は宇宙の果てへと吹き渡る。無性に走りたくなった。命が湧きたっているのを感じた。なぜならわたしは犬で、犬は自由だからだ。運動場を疾走し、あっという間に正門を抜けて海へつづく道を走った。街路樹が波打っている。足の下で地面が跳ねまわっている。トトが言っていたように、命は波なのかもしれない。犬の命も、人間の命も、生きている人の命も、死んでしまった人の命も、同じ波の上を運ばれていく。尽きることのない波が、宇宙の果てまでつづいている。