天理時報2021年12月8日号8面
TenriSports[天理スポーツ]4年連続〝春高バレー〟へ天理高バレーボール部男子天理高校バレーボール部男子は、11月6日から21日にかけて桜井市芝運動公園総合体育館などで行われた「全日本バレーボレール高校選手権大会」奈良県予選に出場。決勝で添上高校に勝利して優勝し、4年連続9回目となる春高バレー、出場を決めた(写真)。攻守の中心選手である森陸翔キャプテン(3年)がまとめる今年のチームについて、山下貴弘監督(45歳)は「例年に比べて小柄だが、攻撃力の高い選手がそろっている」と話す。県新人大会、県春季選手権大会、全国高校総合体育大会(インターハイ)県予選では、全試合をストレート勝ちで優勝。ところが、3年連続8回目の出場となったインターハイでは予選敗退。その反省から、全国大会を目指して守備力を向上させようと、レシーブを中心に練習に打ち込んできた。迎えた〝春高バレー県予選。2回戦から出場した天理高は、準決勝まで危なげなく勝利を重ね、決勝進出を果たした。添上高との決勝戦は、序盤こそ互いに点を取り合う展開となったが、中盤からは天理高が堅実な守備で試合の流れをつかみ、3-0で勝利。全国大会出場を決めた。山下監督は「全国大会に向けて細かい調整を行い、さらにプレーの精度を高めていきたい」と語った。なお、全日本バレーボール高校選手権大会は来年1月5日から9日にかけて、東京都渋谷区の東京体育館で開かれる。2季ぶり関西リーグV天理大ホッケー部女子天理大学ホッケー部女子は、11月21日に大阪府茨木市の立命館OICフィールドで行われた関西学生ホッケー秋季リーグ決勝で立命館大学に勝利し、2季ぶり69回目の優勝を手にした。春季リーグでは、決勝でライバルの立命館大に敗れ、2位となった同部。リベンジを誓って秋季リーグに臨んだ。朝日大学との初戦を10-0で圧勝。第2戦も勝利を収め、リーグ戦序盤の山場となる立命館大との一戦に臨んだ。試合は激しいボールの奪い合いが続き、0-0のまま迎えた第4クオーターで立命館大に得点を許し、0-1で敗れた。その後、勝ち星を重ねてリーグ2位となった天理大は、立命館大と再び決勝で戦うことに。11月21日の決勝戦を約3週間後に控えた10月末。秋季リーグと並行して行われた「全日本学生ホッケー選手権大会」準決勝天理大は立命館大に勝利。その後も、秋季リーグ決勝戦までの1週間、対立命館大を想定した専用メニューに打ち込んだ。迎えた秋季リーグ決勝。天理大は立ち上がりから流れをつかんだものの、両チーム無得点のまま第4クオーターへ。膠着状態が続くなか、12分に天理大がペナルティーストロークを獲得。千載一遇のチャンスで中口美羽選手(2年)が冷静にシュートを決めて先制。このゴールが決勝点となり、天理大はリーグ優勝を果たした(写真)。長谷部謙二監督(51歳)は、「試合前の練習がすべてフィットした戦いぶりだった。選手たちが互いに声をかけ、練習の形を再現した結果が、この優勝につながった」と話した。なお、最優秀選手に中口選手が選ばれた。11月17日号をもって、全4回の連載を終えた『ふたり――星の降る夜は』(第1部)。読者から好評の声を頂き、続編となる第2部の連載を来年1月にスタートする。ここでは第2部開始を前に、著者・片山恭一氏によるスピンオフの寄稿を3回にわたって掲載する。まず、上下2回に分けて作品に込めた思いを、そして、第2部の大まかな内容や構成について綴ってもらう。文芸小説ふたり星の降る夜は作家片山恭一第1部を終えて(上)失われた時子どものころ、カンはよく物にぶつかっています。迷子にばかりなっていた、というくだりもあります。これは彼が生きている世界に、方角や距離といった秩序がないことを象徴しています。それから時計の文字盤が読めないというエピソードも紹介されます。つまり因果関係が理解できないということですね。こうした特質は、カンが言葉を喋らないことと深くかかわっています。アマゾンの少数民族・ピダハンの言語には数字がなく、過去や未来の時制もほとんど見られないそうです。人間の思考は話している言語によって構成されます。考えることは内なる声で話すことと言ってもいいでしょう。その言語に数がなく、時制がないとしたら、世界はどんなふうに立ち現れてくるのだろう?ぼくたちの世界では、物事は順を追って一歩ずつ進むように逐次的に起こり、それは因果関係として説明されます。ピダハンの世界に、果たして逐次的認識や因果関係は存在するのでしょうか?カンは言葉を話しません。かわりに彼の内なる声として、ピノという一匹の犬がいつもそばにいます。カンの内なる声は、ピノの「ことば」によって代弁されます。その「ことば」が声ではなく、映像やイメージのようなものだとしたら?あるときカンの心の目に一つの光景が浮かぶ。その光景には未来が含まれていて、現在と未来が同時に体験される。するとカンには一種の予知能力があることになります。未来が見えてしまう。蓄財には有利かもしれませんが、いいことばかりではなさそうです。たとえば病気の検査精度があまりによくなると、見つからなくてもいいものが見つかって心配事も多くなります。自分の将来について子どもの時点でわかってしまうと、生きることが楽しくなくなるでしょう。見え過ぎることが人々の自由を奪い、苦しめることもあるようです。カンの場合は、未来が見えることで義務のようなものが生まれます。この義務感に促されて行動を起こしますが、そこには落とし穴がありました。父親を救えなかったことが、彼の心に深い傷を残し、人知れぬ苦悩が生まれます。そんなカンにピノは寄り添いつづけます。連れ合いを失った母親も、もちろん苦しんでいます。ピノがカンに寄り添うように、カンが母親に寄り添っているようにも見えます。彼らのまわりに、ツツ一家のような別の「ふたり」も配置され、それらが相互に交流することで物語は進んでいきます。文芸小説「ふたり」のバックナンバーはこちらから