天理時報2021年8月1日号8面
TenriSports[天理スポーツ]4大会ぶり大学王座天理大ホッケー部男子天理大学ホッケー部男子は7月11日、大阪府茨木市の立命館OICフィールドで行われた「全日本大学ホッケー王座決定戦・東西交流戦」男子決勝で、山梨学院大学に3-2で勝利し、4大会ぶり25回目の優勝を手にした。昨秋、関西大学リーグで9季ぶりに優勝した同部。新チームは「日本一」を目標に据え、練習をスタートさせた。その中で「選手一人ひとりが責任感を持ち、集中してプレーに「臨む」ことの大切さを意識したという。練習では、ストロークなどの基礎技術はもとより、3対3や5対5などの対人練習にも時間を費やした。チームの中心は、巧みなフリクシュートで得点を量産する永吉拳選手(3年)。ディフェンスの要として守備時の指示を出すなど、攻守ともにチームのパフォーマンスを支える。4月の関西春季リーグでは、3戦全勝で立命館大学との決勝に臨んだが、3-4で惜しくも敗れた。その後、選手らは王座決定戦が始まるまでの約1カ月間、対人戦の動きを見直し、試合に向けて修正を重ねてきた。迎えた大学王座決定戦。明治大学との初戦を5-1で快勝し、準決勝へ進む。対戦相手は立命館大。天理大にとって、春季の悔しさを晴らすリベンジマッチとなった。試合は第1クオーター6分、PC(ペナルティーコーナー)を獲得し、永吉選手のフリックシュートで先制。これで勢いに乗ると、第2クオーターに2点を奪って3-0に。終盤、立命館大に2点を奪われるも天理大が4-2で逃げきった。決勝では山梨学院大と対戦。試合は、相手に1点リードを許したまま最終の第4クオーターへ。迎えた5分、天理大はPCから永吉選手がシュートを決め、同点に追いつく。さらに9分、永吉選手が再びシュートを決めて逆転。残り時間を守り抜き、3-2で4大会ぶり25回目の優勝に輝いた。松田歩キャプテン(4年)は「多くの関係者の皆さんの支えがあったからこそ優勝できた。今後も秋季リーグ、日本リーグと戦いは続くので、より良いチームをつくり上げられるよう、地道に練習を重ねていきたい」と話している。西日本新人戦V天理大レスリング部天理大レスリング部の梶浦敦規選手(2年)は、7月に行われた「西日本学生新人戦」男子グレコローマンスタイル82級で優勝した。インターハイに6選手天理高水泳部天理高校水泳部は先ごろ、「近畿高校選手権水泳競技大会」に出場。競泳男子1500自由形で好成績を収めた辻大輝選手(3年)をはじめ、競泳・飛込の両種目で、6選手が9種目での出場を決めた。文芸連載小説ふたり-星の降る夜は作/片山恭一画/リン前話のあらすじ一言主に願を掛け、ツ一家に降りかかろうとしていた災いを取り除いたカン。肩の荷を下ろしたカンは、海でツツ、ピノと水遊びを楽しんだ。第30話人も犬も、ひとりぼっちその夜のことを、カンは何度も思い出すことになるだろう。夕暮れに庭でバーベキューをしたあと、コンロなどを片付けながらトトが言った。「ちょっと海に行ってみないか」「だって真っ暗じゃない」たしかに月のない夜だった。「星が出ているよ」三人は家のなかで水着に着替えた。トトとハハはそれぞれのサーフボードを持っていくことにした。海は静かで涼しくて暗かった。こんな夜に泳いでいる人は誰もいない。「ピノ、ここにおいで」トトは自分のサーフボードにわたしを乗せようとした。普段なら断るところだが、その夜にかぎってトトの言葉には不思議な力があった。魔力ともやさしさともつかないものに手繰り寄せられて、わたしは板の先に乗った。ハハはカンと二人でもう一つのボードにまたがった。両手で水を掻いてボードを沖へ進めた。背の高いトトは手も大きかった。その手で力強くボードを進めていく。水を切って進むボードの先を見ていると、緑色がかった光の帯が現れては消えた。前に進むたびに緑色の光が飛び散る。「夜光虫だよ」後ろでトトの声がした。わたしが振り向くと、彼は手のひらで海面を叩いて水しぶきを立てた。さざめく光があたりに降り注いだ。手からも光の水が滴っている。後ろからやって来るハハたちのボードとの差が開いたので、その場にとどまって待つことにした。海の水は温かく、表面はわたしの毛並みのように艶やかで黒かった。願い事をした島が見えた。いつもどおり陸と切り離されて海に浮かんでいる。一言主の神さまも、今夜はゆっくり休んでいることだろう。「いま足に何か触った」。後ろのボードでハハが調子はずれの声を上げた。「イルカかな」「まさか」「大ダコかも」「おどかさないでよ」二つのボードは再び並んで進みはじめた。沖を航行する船の明かりが見えた。遠くの海岸線には街の灯が見えた。たくさんの小さな光が揺れるように瞬いている。トトが水を掻く音だけが聞こえていた。その音を聞いていると、なぜか寂しい気持ちになった。これまでになく、ひとりぼっちと感じた。人も犬、もこの暗い宇宙のなかでひとりぼっちで生きている。「命というのは波みたいなものかもしれないな。波は小さくて目には見えない。でも心を澄ますと、身体の奥にかすかなゆらぎを感じる。われわれみんな波に運ばれる命なんだ」どうしてトトがそんなことを言ったのかわからない。とびきり名言というわけでもなさそうだ。だが、わたしはその言葉を生涯忘れないだろう。