家に着くと、遠距離を人力車に乗ってきたのに少しも疲れを感じず、むしろ快適な心地でした。そして、教祖から頂いたお水を「なむてんりわうのみことなむてんりわうのみこと」と唱えながら腰につけていると、三日目には、痛みは夢のように取れてしまいました。それから半年の間、おぢばへ帰るたびに病気は回復へと向かいました。そして翌十四年の正月には、すっかり治って本復の祝いを行い、感謝の思いでおぢばへ帰りました。幸三郎さんは、教祖に早速ご恩返しの方法を伺いました。すると教祖は、「金や物でないで。救けてもらい嬉しいと思うなら、その喜びで、救けてほしいと願う人を救けに行く事が、一番の御恩返しやから、しっかりおたすけするように」と仰せられました。幸三郎さんは、このお言葉通り、人だすけの道へ邁進することを堅く誓ったのでした。(『稿本天理教教祖伝逸話篇』七二「かる身やもの」から)