天理時報特別号2021年12月号3面
そこに子供たちの笑顔が次々と加わってくる。こんなに心強いことはありません。こうして教会生活でいくつかの登り降りがあって、いま、人生の下り坂に差しかかっているのです。笑って降りるさて、この坂をどうすれば笑って降りられるのでしょう。詩集のページをめくりながら考えてみました。そうして気づいたのが、の自分に至る「命のつながり」です。私の先祖は00年前から東、京当時の江戸に住んでいたそうです。4代前の当主である高祖父は、のちの新選組組長・近藤勇と同じ道場で剣術を学んだとも聞きます。以後、はっきり分かっているのは、明治後期に運送業を営む曾祖父が、幼いわが子を次々と亡くした事実。もちろん医療体制が今日とは格段に違うため、さほど珍しくなかったともいえますが、いつの世も、わが子を失うのは悲しい出来事に違いありません。けれども曾祖父は歯を食いしばり、信仰の道へ転身して苦難を乗り越えました。その命が、私につながっているのです。曾祖父を思えば今の私がどれほどありがたいか。子供たちは皆元気だし、還暦を迎えるのとほぼ同時に孫の顔を見ることもできた。父は孫どころか、自身の子供が成人する姿さえ見られなかったのです。そう思うと、ありがたくて胸がいっぱいになります。先祖のおかげで今日があり、両親のおかげでここに生きている。この事実を心に刻み込んで歩いていこうと決意しました。人生にはなぜ下り坂があるのでしょか。それは、がていつかこの坂を再び登る日のため〉と、みゆきさんは教えてくれています。身体にはガタが来ていますが、これからは心の焦点を「命のつながり」に合わせ、笑って下り坂を降りていきたいと思います。イラストレーション:西村勝利私の好きな表紙風のはな景し西薗和泉「冬の畦道」子供の時から、田んぼの畦道を歩くのが好きでした。耕された美しい畝のラインを眺めるだけで楽しくな何も植わっていなくても、土から生命力が伝わってきます。写生場所…..京都府木津川市IzumiNishizonoにしぞの・いずみ1960年、奈良県天理市生まれ。84年、京都市立芸術大学油画科卒業。2021年まで天理中学校美術教諭を務めた。著書に『木かげと陽だまり水彩こころの覚え描き』(道友社刊)がある。