天理時報2022年11月2日号8面
【混迷深める“プーチンの戦争” – 手嶋龍一のグローバルアイ18】ウクライナの大地に砲声が轟き渡って早や8カ月が経った。開戦当初は、首都キーウは間もなく陥落すると多くの軍事専門家が予測していた。だが、プロフェッショナルの見通しは外れ、戦いは長期に及んだまま互いの犠牲者が増え続けている。「戦争は錯誤の葬列だ」と評されるが、“プーチンの戦い”はまさしくその通りの展開を見せている。彼の地で戦火が止むには二つのケースしかない。第一はウクライナ、ロシアのいずれかが完敗して白旗を掲げる。第二は戦いをひとまず中断して話し合いのテーブルに就く。だが、ウクライナ軍はいま、東部と南部の前線で攻勢を強めており、ゼレンスキー大統領は奪われた領土をすべて取り戻すまで断固として戦い抜くと国民に約束している。一方で、ロシアのプーチン大統領は、2014年に強制的に併合したクリミア半島、そして新たにロシア領に併合した四つの州を放棄するような事態となれば政権は崩壊すると考えている。両国の姿勢に隔たりが拡がる中では、キーウとモスクワがひとまず戦闘の停止に合意し、外交交渉に応じるきっかけは見つからない。クリミア大橋が爆破され、報復にウクライナ全土のエネルギー施設が空爆される情勢下では、ウクライナに大量の武器を提供している米国のバイデン政権が乗り出し、ゼレンスキー政権に交渉のテーブルに就くよう説得するしかない。だが、当のバイデン大統領は「ウクライナには領土の割譲を一切求めない」と言い切り、話し合いの芽を自ら摘んでしまった。そのうえゼレンスキー政権もNATOへの参加申請に動き、停戦の切り札となる「中立化」のカードを破り捨ててしまった。プーチン大統領は、このほど強制的に併合した四つの州に戒厳令を敷いた。これは強気を装う独裁者が追い詰められている証左である。日本をはじめG7各国は、いまこそ結束してバイデン政権を突き動かし、和平交渉のテーブルにロシア、ウクライナを就かせる時である。人類が核戦争の深淵を覗き見ている中で、被爆国ニッポンに躊躇う理由などないはずだ。, 【深まる秋 にぎわう親里 立教185年秋季大祭 – 写真ニュース】秋季大祭を期して各地からようぼく・信者が帰参するなか、神苑でひのきしんに勤しむ人や、別席を運ぶ人の姿が見られた。また、演奏会や展示会が催されるなど、秋の深まりを感じさせる親里は大勢の帰参者でにぎわった。秋晴れが広がるなか、国の内外から大勢のようぼく・信者が帰参した(10月26日)神苑でひのきしんに勤しむ教友たち(10月25日)「第30回記念お道のことば書作展」が催された海外からの帰参者の姿も(10月25日)「雅楽大合奏お供え演奏会」が3年ぶりに実施された(10月26日), 【すきっと Vol.39】定価660円【本体600円】A4判/オールカラー/112ページ特集 いまを生きる寺田宜弘 キーウ国立バレエ団・副芸術監督戦火の終息を祈り、キーウ・バレエ復興に日々を捧げて外尾悦郎 サグラダ・ファミリア聖堂彫刻家オリジンはすべての根源“希望”は“勇気”のみなもと今村翔吾 歴史小説・時代小説家「歴史小説」通して見つめる“いま”井上章一 国際日本文化研究センター所長日本人は「和を以て貴しとなす」民族か連載この人に訊く – 奥薗壽子 家庭料理研究家流儀は「楽しく、シンプルに」“手抜き”料理が家族の宝を紡ぐヒューマン – 西畠清順 プラントハンターひとの心に植物植える「プラントハンター」植物で世界を変えたい!skitto対談 – 黒川伊保子 人工知能研究者/随筆家 + 松村義司 道友社社長より人間らしく生きる時代へ――AI研究で分かった“豊かな人生を送るコツ”新連載 戦国よもやま草子 – 天野忠幸 歴史学者/天理大学准教授松永久秀と広橋保子世界の家族 家族の世界椎名誠 作家現代いまを紐解く手嶋龍一 外交ジャーナリスト/作家悠々まほろば散歩片山恭一 作家 写真・小平尚典忘れられない詞中江有里 女優/作家