このほこりすきやかそふぢせん事に
月日いかほどをもふたるとて
「おふでさき」八号62
ケマンソウ
神殿普請の際に、新しい掃除機をお供えしてくださった方がいました。コードレスタイプで、とにかく軽くて扱いやすいため「ちょっと掃除しようかな」という気にさせてくれます。
ヘッドの先にはLEDライトがついており、ソファーの下など暗い部分を掃除するのにも便利です。ところが、暗がりで照らされたほこりは陰影が際立ち、明るい場所なら気づかないような細かいものまで見えてきます。私たちの心に積もったほこりも、教えの光に照らすことで、一層はっきりと自覚できるのかもしれません。
ほこりと光について考えていると、化学で学んだ「チンダル現象」を思い出しました。これは微粒子が漂っている空間を光が通る際に、光が微粒子に反射し、その道筋がはっきりと見える現象です。よく知られているものに、雲間から光が差し込む「レンブラント光線」があります。宮沢賢治は「光でできたパイプオルガン」と表現しました。
もしかすると、光の本当の美しさを知るためには、多少のほこりが必要なのかもしれません。たとえば苦境に沈んでいるときこそ、私たち子供の成人を待ち望まれている親神様の思召、教祖の親心をはっきり感じられる瞬間が訪れるのではないでしょうか。
それにしても、使いやすく便利な道具は本当に有り難いものです。「ちょっと使ってみよう」と気軽に思ってもらえるようなようぼくを目指し、道の御用に励みたいものです。
(大塚)