連載企画 おやさとスケッチ – 春を待つ楽しみ
西薗和泉 画家
■にしぞの・いずみ――1960年、天理市生まれ。84年、京都市立芸術大学油画科卒業。2021年まで天理中学校美術教諭を務めた。『すきっと』(道友社刊)で「毎日がスケッチ日和」を連載中。勢白分教会ようぼく。
2022年元日、親神様・教祖に新年のあいさつを申し上げようと、家族そろって本部神殿へ向かいました。西駐車場に車を停めて歩きだすと、真っ先に歩道沿いの花壇が目に入りました。何やらハボタンで文字が描かれており、たどっていくと「WELCOME TENRI 2022」とありました。
私は花が好きなので、四季折々に彩られるおぢばの花壇は、いつもチェックしています。日ごろ、天理高校農事部の生徒たちが花を世話する姿をよく目にします。これだけ美しく整えるには、大変な手間がかかっているはずです。寒風吹きすさぶ日でも、花を見ると心が温まります。彼らの丹精に感謝、そして脱帽です。
ハボタンの周りに植えられているストックの花も、満開になったら、どんな様相になるのか、今後の成り行きが楽しみです。
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高校までずっと親里管内の学校へ通い、その後、天理中学校に勤めていた私にとって、新年は「本部お節会」を頂かないと始まらない、といっても過言ではありません。毎年、学校の始業式後に、みんなそろって頂くのが習慣になっていますので、昨年、コロナ禍のために中止を余儀なくされたときは、なんとも言えない物足りなさを感じました。
本部お節会では、会場に到着して席に着くまで、多くのスタッフたちから温かい声をかけられます。そしてテーブルに着くや、お餅を配る人、やかんでお出汁を注ぐ人、水菜をよそう人に取り囲まれ、あっという間にお椀に雑煮がセットされます。
お出汁の良い香りとともに感じるあの高揚感は、本部お節会ならではのものです。そして訪れた人はみんな“おいしい笑顔”になっています。
2年続けて本部お節会は中止となりましたが、来年こそは再開されることを願っています。
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今年も、コロナの感染拡大で始まりましたが、「明けない夜はない」といいます。冬が終われば必ず春が来ます。さらに、冬も寒くつらいだけではありません。楽しみ方はいくらでもあります。冬があってこその春なのです。
いま私たちも、エネルギーをためて、また来る旬に向けて、存分に力を発揮したいものです。
西薗和泉水彩画展〝毎日がスケッチ日和〟
アートスペース上三条 奈良市上三条町4
4月5日(火)~10日(日)
10:00~18:00(最終日16:00まで)
絵てがみプレゼント
季節の絵てがみ
西薗氏が描き下ろした絵てがみを、抽選で3人の方にプレゼントします。ご希望の方は、ハガキまたはEメールで「2月9日号『おやさとスケッチ』絵てがみ希望」と明記のうえ、住所・氏名・年齢・電話番号を書き添えて下記まで。紙面の感想やご意見も併せてお聞かせください。今号の締め切りは2月18日(消印有効)。なお、当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
【あて先】
〒632‐8686 天理郵便局私書箱30号
天理時報「おやさとスケッチ」係
Eメール=[email protected]