Tenri QR Music“紙上コンサート”
全国屈指の実力を誇る管内学校音楽系クラブの活躍を、記事とともにQRコードから視聴できる動画を紹介する「Tenri QR Music――“紙上コンサート”」。
第2回は、こども音楽コンクール(主催=TBSラジオ)で2大会連続8回目の「文部科学大臣賞」を受賞した天理中学校弦楽部の演奏動画と、奈良県アンサンブルコンテスト(主催=奈良県吹奏楽連盟、朝日新聞社)で19年ぶり2度目の金賞を受賞した、天理高校第2部吹奏楽部のサクソフォン四重奏による演奏をお届けします。
2大会連続8回目の“日本一” – 天理中弦楽部
今年で69回目を数える「こども音楽コンクール」は、全国919の小・中学校が日本一の演奏を競い合う国内最大級の大会。「合唱」「重奏」「管楽合奏」など六つの部門が設けられ、半年間かけて実施される。
年末にブロック別の最優秀校が決定すると、年明けにはブロック大会の録音データをもとに審査する「文部科学大臣賞選考会(全国大会)」が行われる。
昨年の大会はコロナ禍の影響で中止となるなか、常連校の天理中弦楽部が今年のコンクールに向けて選んだ曲は、チャイコフスキー作曲の『弦楽セレナーデ』。
同曲について、コーチの上田真紀郎さん(44歳)は「音階を巧みに扱い、作られた名曲。コロナ禍の制約から心を解き放ち、楽しみと元気を部員たちに共有してもらいたいとの思いから、この曲を選んだ」と話す。
練習では、曲中に登場するロシア民謡や舞曲から、広大な大地や踊りの賑やかさを意識。また、部員同士でディスカッションしながら表現方法を深めることで、納得のいく音色を追求したという。
迎えた西日本大会当日、27人のメンバーは心一つに演奏。細かな音階を含む難曲を弾ききり、2大会連続8回目となる「文部科学大臣賞」を受賞した。
キャプテンの當城優和さん(3年)は「積み重ねてきた努力の成果を発揮できて、感謝の気持ちでいっぱい。コロナ禍によって、さまざまな問題があったが、コーチや先生方が励ましてくださったおかげで、全員で前を向いて進むことができたと思う」と話した。
19年ぶり2回目の金賞 – 天理高第2部吹奏楽部
天理高第2部吹奏楽部のサクソフォンを担当するメンバー4人は先ごろ、奈良県大和高田市のさざんかホールで開かれた第49回「奈良県アンサンブルコンテスト」高校の部に出場し、同部として19年ぶり2回目の金賞に輝いた。
同コンテストは、3人から8人までの管・打楽器による室内楽の大会。
同部が選んだ曲は『サクソフォン四重奏曲』(ジャンジャン作曲)。大会に向けて専門講師やOB・OGの助力を得ながら、限られた時間内で練習を重ねてきた。
迎えた本番。部員たちは穏やかな旋律が特徴の第2楽章と、快活なリズムが響く第4楽章を心一つに演奏し、見事に金賞を獲得した。
メンバーの一人、田尻天喜さん(3年)は「応援してくださった方々に恩返しができて、うれしく思う。これからも、聴いてくださる方に最高の演奏を届けられるよう、もっと練習していきたい」と語った。