ボーイスカウト宗教章に「天理教章」新設
お道の教えに基づくスカウト活動を支援
先ごろ、ボーイスカウト日本連盟が定める宗教章に「天理教章」が新設された。これは、ボーイスカウトおよび指導者が、お道の教えに基づいてスカウト活動を行えるよう支援する「天理教スカウト育成協議会」の働きかけによって実現したもの。現在、3人のボーイスカウトが天理教章を取得している。
ボーイスカウトは、野外でのグループ活動を通じて子供の健全な育成を目指すもの。ボーイスカウト日本連盟では、すべての加盟員が信仰を持つことを奨励しており、その一環として「宗教章」を設けている。国内では神道、仏教、キリスト教など各教団の「宗教章」が設けられている。
教内にもボーイスカウト活動に参加するようぼく・信者の子弟が少なくないことから、「天理教独自の宗教章を設けてほしい」との要望が高まり、2019年に表統領の委嘱による「天理教スカウト育成協議会」(委員長=永尾教昭・天理大学長、副委員長=西田伊作・少年会本部委員長)が設置された。
同協議会は、ボーイスカウトおよび指導者が、天理教の教えに基づいてスカウト活動を行えるよう、ボーイスカウト日本連盟と連携を図りながら、ボーイスカウト活動を支援する組織。昨年、同協議会の働きかけにより、ボーイスカウト日本連盟が定める宗教章に「天理教章」が新設された。
天理教章を取得するためには、教会で教えを学び、教会やおぢばの活動に積極的に参加するなどの条件が定められている。
道の子弟3人が「天理教章」取得
奈良県田原本町の廣瀬志保さん(40歳・大倭宮分教会ようぼく)の長男・渉夢さん(15歳)は、昨年12月に天理教章を取得。3人目の取得者となった。
渉夢さんは、志保さんに連れられ、毎月2回ほど教会に参拝している。しかし、天理教章ができる前は、ボーイスカウト活動での進級のために、他宗教の宗教章の取得を視野に入れていた。
志保さんは「普段、家庭でおつとめを勤めているが、面と向かって息子に教理を伝える機会は少ない。ボーイスカウトに天理教章ができたことで、息子に信仰を伝える良いきっかけになった」と話す。
天理教章の取得のため、渉夢さんは所属教会の教会長から基本的な教話を聞き、レポートにまとめた。渉夢さんは「天理教の詳しい話が聞けて、とても勉強になった。また、信仰が心の拠り所になることにも気づくことができた。これからも、ボーイスカウトで学んだコミュニケーション能力や協調性を生かして頑張っていきたい」と話している。
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なお、同協議会では「天理教の信者子弟でボーイスカウト活動に参加している人がいれば、積極的に天理教章を取得するよう呼びかけてほしい」と話している。
ボーイスカウトと宗教章
ボーイスカウトは、1907年にイギリスで始まり、現在は171の国と地域で行われ、約5700万人が活動。日本では約9万人が活動している。宗教章は、左胸ポケットの上に着用するもの。各教宗派が定めた授与基準を満たした加盟員に授与される。現在、天理教のほか約60の教団・宗派で宗教章が定められている。