Tenri QR Music“紙上コンサート”
親里で開催された演奏会を、記事とともに、QRコードから視聴できる動画を紹介するコーナー「Tenri QR Music――“紙上コンサート”」。第3回は、3月に参考館で行われた、「ガムラン・クラシックギターコンサート音色で巡る世界の旅7」の演奏をお届けする。
“神秘的な音色”響かせ – 天理参考館「ガムラン・クラシックギターコンサート」
天理参考館が主催するワークショップ「バリガムラン体験講座」と「クラシックギター講座」では、3月13日に「ガムラン・クラシックギターコンサート――音色で巡る世界の旅7」を、同館1階エントランスホールで開催した。
これは、同ワークショップの受講者が日ごろの練習成果を発表するもの。今回は、新型コロナウイルスの影響でワークショップの中断を余儀なくされたことから、3年ぶりの実施となった。
当日は、「クラシックギター講座」のメンバーによる演奏で幕開け。続いて「バリガムラン体験講座」のメンバーによる演奏が行われた。
ガムランとは、青銅の鍵盤楽器と銅鑼の打楽器で構成される、インドネシア・バリ島の民族音楽。基本的に楽譜がなく、規則性のある旋律を波打つように繰り返す曲調が特徴だ。
現在、ガムラン楽器を所蔵している博物館は、全国でおよそ10カ所。なかでも参考館は、2002年からガムラン楽器の独特の音色を多くの人たちに知ってもらおうと、所蔵品のガムラン楽器を実際に使用したワークショップを定期的に開いてきた。
バリ島の色鮮やかな民族衣装に身を包んだ講師と受講者は、オープニングにガムラン音楽のパレード曲『バレガンジュール』を披露。続いてガムラン音楽4曲を奏でた。その一つ、バリ島のわらべ歌『ダドン・ダウ』では、2種類のメロディーを異なる奏者が弾き、一つのメロディーにする「コテカン」という手法で、子供に歌い聞かせるような穏やかな音色を表現。最後は『ギラッ・プヌトゥップ』という閉会の曲で終演した。
聴衆はガムラン楽器が織りなす“神秘的な音色”に聴き入っていた。
講師の稲葉さやかさん(48歳)は「コロナ禍による制限でモチベーションの維持が難しかったが、こうしてお客さまの前で演奏する機会を頂き、感謝の気持ちでいっぱい。これからも、受講メンバーと共にガムラン音楽の素晴らしさを伝えていきたい」と話した。