吹き荒れるトランプ旋風 – 手嶋龍一のグローバルアイ33
「もしトラ」――ドナルド・トランプが再び政権に返り咲けば、という造語なのだろう。メディアでも盛んに使われている。年末の流行語大賞の選考ではきっと有力候補になるにちがいない。だが「もしトラ」は、現下の国・・・
「もしトラ」――ドナルド・トランプが再び政権に返り咲けば、という造語なのだろう。メディアでも盛んに使われている。年末の流行語大賞の選考ではきっと有力候補になるにちがいない。だが「もしトラ」は、現下の国・・・
FSX・次期支援戦闘機の開発を巡って、日米両国は水面下で壮烈な戦いを繰り広げていた。”日米FSX戦争”である。米ソの冷戦が終焉を迎えた90年前後のことだ。三菱重工製のF1戦闘機・・・
台湾の新しい総統に選ばれた頼清徳(らいせいとく)氏は“独立派”だ――。中国の習近平政権は、選挙中からそう断じて民進党の指導者を警戒してきた。中国は建国以来一貫して「台湾は中華人民共和国の密接にして不可・・・
あの日の屈辱はいまも忘れられない。「自由の回復に手を貸してくれた国々よ、有難う」。ワシントン郊外の自宅に配達されたニューヨーク・タイムズ紙にはクウェート政府のメッセージが大きく掲載されていた。だが、感・・・
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教が誕生した中東の沙漠ではいま、悲惨な戦いが繰り広げられている。9・11同時多発テロに見舞われて以来、世界は最も深刻な危機のなかにあると云っていい。ユダヤの民は父祖の地を・・・
アメリカ東海岸にある大学の研究所で、米軍の上級将校と1年間を共に過ごしたことがある。欧州やアジアから参加した「フェロー」と呼ばれる研究仲間とは、いまも交流が続いている。折々の国際情勢を巡って忌憚のない・・・
「もう一つのロシア軍」と呼ばれる民間の軍事組織ワグネル。受刑者や外国の傭兵を集めた特異なこの軍隊を率いるプリゴジンが叛乱を起こしたのは6月23日。筆者は取材で欧州に滞在中だったが、日本のメディアは総じ・・・
「ご本人様不在のためお荷物を持ち帰りました」という宅配便のメールを受け取ったことがあるひとは多いだろう。本物と酷似しているため、ついインターネット上で宅配業者の住所を示す「URL」をクリックしてしまう・・・
戦争はいくつもの顔を持ち、深い霧に覆われている――幾多の戦火を経験してきた欧州の地に伝わる言葉だ。激しい戦いが続くさなかは、どちらの陣営が最初に引き鉄を引いたのか。その真相は容易に明らかにならない。 ・・・
ウクライナの最前線で激戦を繰り広げているロシアは世界有数の軍事大国だ。だが、必ずしも兵器大国とは言えない。現代の精巧な武器システムを支える先端半導体を製造できる企業が国内にないからだ。敵の心臓部にぴた・・・
習近平主席率いる中国外交がにわかに勢いづいている。フランスのマクロン大統領は6日、大手の企業経営者50人余りを引き連れて北京を訪れた。迎えた習近平主席は、航空機メーカーの「エアバス」から160機を購入・・・
韓国の尹錫悦政権は、元徴用工の問題で被告となってきた日本企業に政府系の財団が賠償を肩代わりする解決策を示した。尹大統領は、今回の決断について閣議で「日韓の経済・安全保障・文化の交流を活性化することは切・・・
ニッポンにはいま、三つの方角から暗雲が重くのしかかっている。一つ目はウクライナで繰り広げられている”プーチンの戦争”だ。石油価格などの高騰で人々の暮らしを苦しめている。二つ目は・・・
岸田総理はワシントンでの日米首脳会談で、力による攻勢を強める中国を念頭に、敵基地へのミサイル攻撃の能力を保有するなど日本の防衛力を飛躍的に高める方針を伝えた。対するバイデン大統領は、岸田政権が訪米に先・・・
“共和党のブッシュ”対“民主党のゴア”の対決は、米史上稀に見る激戦となった。フロリダ州の開票結果で次の大統領が決まるのだが、票差はまさしく髪の毛一本。裁定は最高裁に持ち込まれた。投票から1カ月、ゴア氏・・・
ウクライナの大地に砲声が轟き渡って早や8カ月が経った。開戦当初は、首都キーウは間もなく陥落すると多くの軍事専門家が予測していた。だが、プロフェッショナルの見通しは外れ、戦いは長期に及んだまま互いの犠牲・・・
久々に天理市を訪れて、コラム「手嶋龍一のグローバルアイ」を読み、感想を寄せてくださる方々と「危機の時代をいかに生き抜き、日本はどんな役割を果たすべきか」について直に語りかける機会を得た。会場に来られな・・・
ウクライナの戦いが始まってすでに半年。われわれにとって「プーチンの戦争」の最も苦い教訓は何か――そう問われれば、迷わず「21世紀のいまも人類は、核戦争の脅威のただなかにいる現実を突きつけられたことだ」・・・
凶弾に斃れた安倍晋三元総理の国葬が9月27日に行われることが閣議で決まった。吉田茂氏以来、国家が費用のすべてを負担して葬儀を営むのは久々である。中国が力による攻勢を強めるなか、東アジアの要衝、ニッポン・・・
ロシアのプーチン大統領が対ウクライナ国境を侵すよう精鋭部隊に命じてから、戦いは遂に100日を超えてしまった。ウクライナ東部のドンバス地方を中心に繰り広げられる戦闘は、子供や女性を巻き込んで、いまも多く・・・