「デー」から日々の実践へ – 視点
今月29日は「全教一斉ひのきしんデー」が行われる。昭和7年に「全国一斉ひのきしんデー」として始まって以来、今年で90周年を迎える。
例年は支部ごとに会場を設定し、ようぼく・信者が一堂に会して実施してきたが、コロナ禍が収まらないなか、今年は支部の判断で会場を設けて行うか、教会や家庭周辺で行うかを選択してもらうよう呼びかけている。
昭和7年の初回は天理教婦人会および天理教青年会の主催によって実施された。事前に各教務支庁宛に出された通達には次の通り書かれている。
一、今回ノ「ひのきしん」ハ勿論社会奉仕トハ云ヘ「社会公共ノタメニ仕テヤツテイル」ト云フガ如キ精神デ実行スルノデナク、人ノ喜ンデ下サルコトヲサセテ貰フ、コレガ我々ノ勤メデアルト云フ信念ノ下ニ実行セラレタシ(後略)
これを読んで、「デー」の意味合いについて、あらためて感じるものがあった。
ひのきしんについて、『天理教教典』には「親神の恵を切に身に感じる時、感謝の喜びは、自らその態度や行為にあらわれる。これを、ひのきしんと教えられる」「ひのきしんは、一時の行為ではなく、日常の絶えざる喜びの行為である」「ひのきしんに勇む心には、欲はない。この求めるところなく、ただ黙黙と骨身惜しまず尽す行為こそ、やがて、銘々の生活に美わしい実を結ぶ肥となる」とある。
今回はコロナ下とあって、自宅周辺で実施を打ち出す支部が増えている。これは各人が参加しやすい形態とも言える。一人でも多くの人に「デー」の活動に参加していただきたい。そして、これをきっかけに、日々ひのきしんの行いが実践できるように意識を育てていきたいと思う。日々のひのきしんの行いが、お互いの生活に美わしさを与えていただけると信じて――。
なお、自身の住居が、どの支部に所属し、どのような形態で「デー」が実施されるかは、インターネットの「教区・支部情報ねっと」で自宅の住所や郵便番号を入力すると調べることができる。ぜひ検索してもらいたい。
(松村登)