“天理のサクラ”SNSで拡散
写真家・wasabitoolさんが火つけ役
3月中旬から4月にかけて、多くのサクラが見ごろを迎えた親里。神苑周辺は“天理のサクラ”をひと目見ようと訪れた多くの人々でにぎわった。既報の通り、道友社は「天理さくらウォーク」と銘打ち、親里のサクラの見ごろや観覧ルートを案内する「おやさと桜MAP」を作成。これを市内各所で無料配布し、好評を得た。こうしたなか、「wasabitool」のハンドルネームで活動する写真家・藤浪秀明さん(45歳)が撮影した別席場前のシダレザクラがSNS上で話題となり、国の内外で大きな反響を呼んでいる。いまや「サクラの名所」として広く知られる天理。その火つけ役となった藤浪さんに、“天理のサクラ”の魅力について聞いた。
別席場前のシダレザクラが見ごろを迎えた3月下旬、神苑周辺のにぎわいはピークに。ツイッターやインスタグラムなどのSNSで、天理のサクラの情報を知り、大阪市から訪れた20代女性は「そこかしこに立ち並ぶサクラがどれも美しく、構図を考えながら写真を撮影するのが楽しい」と笑顔で話した。
既報の通り、3月24日から4月4日にかけて、シダレザクラの夜間ライトアップが期間限定で行われた。観覧者が撮影した幻想的なシダレザクラの写真や動画は、SNS上に多数投稿され、話題となった。
見る人を感動させるサクラ
シダレザクラのライトアップ期間中、「wasabitool」のハンドルネームで活動する写真家の藤浪さんが撮影のため来訪した。
藤浪さんが天理のサクラを知ったのは6年前。インターネット上で別席場前のシダレザクラを知り、初めて天理へ。「見たこともない雄大なシダレザクラに、ただただ圧倒された」と振り返る。
翌年、別席場前のシダレザクラを雨天後の水溜まりに反射させて撮影。“サクラボール”と名づけて自身のSNSに投稿したところ、「Yahoo!ニュース」のトップ記事として紹介された。これをきっかけに、天理の町が「知る人ぞ知るサクラの名所」として広がり、多くの教外者が来訪するようになった。
藤浪さんは今回、ライトアップバージョンのサクラボールの写真を撮影し、自身のSNSに投稿。現在までに35万回以上閲覧されるなど、大きな反響を呼んでいる。
天理のサクラに魅せられた藤浪さんは、毎年のように撮影に訪れている。その中で、天理教の信仰者の素顔にふれる機会も少なくないという。「地面すれすれでカメラを構えて撮影していると、『具合が悪いのですか?』と声をかけてくださったり、撮影場所を快く譲ってくださったりと、何度も天理の人たちの優しさを感じた」
今回、藤浪さんがSNSに投稿したシダレザクラの写真には、「まるで宝石みたい」「天理の皆様の愛を感じる」など数多くのコメントが寄せられている。
藤浪さんは「天理の優しい人たちが、人に喜んでもらいたいとの思いで真心を込めて育てたからこそ、見る人を感動させるような素晴らしいサクラが花開くのだと思う」と語った。
天理のサクラを動画でご覧いただけます