天理時報オンライン

教会を地域の子供たちの居場所に


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髙部春菜(本部直属安東分教会よふぼく・31歳・大分県別府市)

「子供の居場所をつくろう!」

それが、いまからちょうど3年前の、私の決意でした。

大学を卒業してから2020年3月までの6年間、夢だった“小学校の先生”として働いていました。

「人の役に立つ仕事をしなさいね」という親の言葉を受け、それなら子供の役に立ちたいと思い、目指した小学校の先生という職業。毎日、多忙ながらもやりがいを見つけ、子供たちと一緒に悩んで、一緒に笑い合いました。

時には、キャパオーバーで体調を崩し、明日を迎えるのが嫌になったこともあります。それでも一年間の最後には、「先生のクラスでよかった!」と駆け寄ってくれる子供たちや保護者の皆さんのおかげで、使命感や感謝の思いを持ちながら過ごすことができました。

しかし、少しずつ、学校の中だけではできないことがあると感じ、モヤモヤすることが増えていきました。たとえば、放課後に登校する子に対してのサポートは十分にできないこと、悩みや不安のある子の家に行って話を聞くような残業は良く思われないことなど……。思い描いていた教育現場と現実とのギャップはどんどん大きくなっていきました。

「学校の中だけで考えるから難しいんだ。居場所がないなら、居場所をつくろう」。そして、先生になってからちょうど6年経った日に、退職届を提出しました。

何ができるかは、やってみないと分かりません。ですが、全力でやるからこそ見えることや気づけることも多くあります。だから、何事も感じたままチャレンジすることにしました。

そんな思いで、2020年6月14日に、子供の居場所として、フリースクール「みんなの教室」を教会内につくらせてもらいました。

そこでは、勉強を教えるだけでなく「こども食堂」なども催し、学校に行けない子供や、親が働いていて家に居場所のない子供たちが、楽しく元気に過ごしています。そして、信者さんだけでなく、地域のいろいろな方が教会に足を運び、子供たちと関わってくださっています。

教祖百四十年祭に向けて、教会をもっと地域に根ざした子供の居場所にしたい。そして、このような活動をもっと地域に広めていきたいです。そのなかで、多くの人の困り事に耳を傾け、寄り添い、一緒に喜びを分かち合いたい。それが、「いま私にできる心定め」だと感じています。