天理時報オンライン

人の心を温めるのも冷ますのも言葉一つ


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温もりが恋しい季節になりました。ふと入ったコンビニではホットドリンクが目につく所に置かれ、肉まんやおでんのコーナーには人が並んでいました。外に出て、マフラーで顔の半分を覆いながら歩きます。呼気のほどよい湿り気が頰の周りを、ほんのり潤わせてくれます。

凍えた手に「は~」と息をかけると、かじかんだ手に力が入るようになります。熱くて飲めない味噌汁は、「ふ~」と息をかけて冷まします。同じ息でも、使い方次第で温めたり冷ましたりできるから不思議です。

私たちが人と話すときの声も、息を使っています。人の心を温めるのも冷ますのも、言葉一つです。凍えた人の心に力を与えるのも言葉なら、元気な人の心を一瞬で凍りつかせるのも言葉です。

言葉一つの使い方が”人間力”なのかもしれない。そんなことを考えながら、今日の夕食はおでんで一杯頂く光景を想像して、思わず口元が緩む冬の一日でした。

Cha