天理時報オンライン

冬の寒さが春の花を咲かせる元となる


紙面レイアウト
で見る

筆者の住む温暖な地方でも、一年で最も寒い時季を迎えています。しかし、ふと庭先の梅に目をやると、もう花芽が膨らんでいました。体感する温度はさほど変わらないように思えますが、梅は確かに暖かさを感じているようです。

梅の花芽は前年の夏にすでにできていて、秋にいったん休眠します。冬の寒さにさらされることで休眠が解け、暖かくなるのと同時に膨らみ始めるそうです。「冬来りなば春遠からじ」の言葉そのままに、梅の蕾は着実に成長しているのですね。

酷寒の刺激がなければ花は咲かない。私たちの生活にも、寒さに耐える冬のような場面があります。どんなにつらくても、その苦しみが、やがて来る春に花を咲かせる元となる。梅の花は、そう教えてくれているような気がします。

やがて迎える春に、どんな花を咲かせるか。それは寒い冬を、先を楽しみに明るく乗り越えようとする、その道中の通り方次第かもしれません。

春はそこまで来ています。

Cha