マイクロプラスチックと中学生 – 陽のあたる方へ4
2024・8/7号を見る
【AI音声対象記事】
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私どもの「こども食堂」では、「こども食堂」について研究したいという中高生や大学生を受け入れ、その役割や格差・貧困、発達障害などをテーマに共同で研究を行っています。
3年ほど前、県内の私立女子中学生のグループから、SDGsについての啓発活動として子供たちを対象にワークショップを行いたいという要請がありました。以来「こども食堂」開催日の午後に、中学生グループ主催のワークショップを実施しています。
彼女たちが注目するのは、SDGsの14番目の目標「海の豊かさを守ろう」。ペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみが年間900万~1,400万トン(2016年時点)も海へ流れ出ていることを問題視し、「この事実を子供たちに知らせたい」との思いから企画したといいます。
前回は、ペットボトルのキャップを再利用し、組み合わせたキャップをアイロンで溶かしてコースターを作りました。子供たちと一緒にデザインを考え、危険を伴うアイロン作業はスタッフの大学生が担当。子供たちがリサイクルについて考える有意義な時間になりました。
社会問題に目を向け、自発的に考えて積極的に行動する中学生がいることに感動を覚えます。これからの時代を切り拓いてくれることを切に願うばかりです。
一方、生活の中で大量に出るごみが引き起こす海洋汚染は、世界的な問題になっています。特に深刻なのは、海を漂う大量のプラスチックごみの問題です。「マイクロプラスチック」と呼ばれる極めて小さなプラスチック片が、魚など海の生き物の生育に悪影響を与え、さらにはその魚を食べる人間にも影響を及ぼす恐れがあると心配されています。また最近の研究では、雲や降雪した雪からもマイクロプラスチックが見つかったという報告もありました。
「おふでさき」に「たん/\となに事にてもこのよふわ 神のからだやしやんしてみよ」(三号40、135)とあります。
海はもとより、世の中のすべてのものは親神様がお造りくだされ、私たちはそのご守護によって生かされて生きています。陽気ぐらしをするようにと、お与えくださったことを思案し、大切に使わせていただきたいものです。
乾 直樹(京都大学大学院特定教授・大阪分教会正純布教所長後継者)