マルコ・ポーロの世界へ誘う「特別展」東京で開催 – 天理参考館・天理図書館
~9月11日 古代オリエント博物館で
天理参考館(平野知司館長)と天理図書館(安藤正治館長)は7月16日から、特別展「大航海時代へ――マルコ・ポーロが開いた世界」(古代オリエント博物館、天理参考館、天理図書館共催)を東京・池袋の古代オリエント博物館で開催している。
これは、参考館・図書館が創立90周年の節目を迎えた一昨年秋、参考館を会場にした同展の巡回展として、全国各地で両館の貴重な所蔵品を紹介するもの。両館共催による特別展が東京で実施されるのは7年ぶり。今回の特別展では、マルコ・ポーロ(1254〜1324)によって切り開かれた「大航海時代」にまつわる展示品151点が一般公開されている。
夢と冒険の世界感じて
1271年、父と叔父に連れられてモンゴル帝国への旅に出たマルコ・ポーロ。のちに彼が口述した旅行記『東方見聞録』には、モンゴル帝国を中心とするアジアのさまざまな生活習慣や地理情報などが、15,000キロにわたる旅の記録をもとにまとめられている。
この一冊の書によってもたらされた幻想的かつ富と黄金に満ちた東洋のイメージは、西洋人を大航海へと駆り立てる原動力となり、世界史上初めて地球規模の交流へとつながっていく。そして、その波は日本にも押し寄せ、南蛮文化が華開いた。
会場の古代オリエント博物館は、昭和53年に開館した日本最初のオリエント専門の博物館。7月16日に始まった特別展では、新大陸に到達したコロンブスが、航海に際して精読していた書と同じ版の『東方見聞録』(ピピノ版)をはじめ、地図製作者フォペルが製作した現存最古の『地球儀』などを展示。大航海時代の軌跡をたどり、未知の大海原に進出する夢と冒険の世界を感じることができる。
開催前日の15日には、メディア向けの内覧会が催され、12社の報道関係者が訪れた。
月本昭男・古代オリエント博物館館長は「天理参考館、天理図書館が収集する貴重な資料に驚くとともに、何より人類が培ってきた歴史や文化を大切にする姿が垣間見え、非常に感銘を受けた。来館者には、大航海時代の展示物を通じて、地球上にはさまざまな民族や文化が存在していることを感じ取ってもらえたらうれしい」と話した。
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会期は9月11日(日)まで。開館時間は、午前10時から午後4時30分(入館は午後4時まで)。
問い合わせは古代オリエント博物館へ。
TEL:03-3989-3491
古代オリエント博物館を会場に開催中の「特別展」の様子を見ることができます。