布教伝道と社会貢献の両輪で – 視点
2024・10/16号を見る
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9月は東日本と西日本で平均気温が統計開始以来の最高値を記録し、厳しい残暑が続いた。そのなか国内各地では、この月を「全教会布教推進月間」と銘打ち、教会を拠点に積極的なにをいがけ活動が展開された。
ところで、近年は記録的な暑さに加えて局地的な大雨も多く、しばしば豪雨被害が発生する。被害甚大な地域には災害救援ひのきしん隊が出動している。
今年7月に起きた山形県での豪雨では、山形教区隊はもとより、本部隊と北海道・東北ブロックの7教区隊が駆けつけた。さらに、地震の爪痕が残る能登地方を先ごろ襲った集中豪雨による被害に対しては、すでに石川、福井の両教区隊が復旧作業に当たったほか、10月2日から17日にかけて本部隊および各教区隊が5次にわたって出動している。
災救隊は、現地で布教活動を行わず、被災者に寄り添いながら復旧・救援活動に専心する。一般から見れば人道支援活動として映るだろうが、そこには報恩感謝のひのきしんの態度があり、一れつきょうだいの教えを実践する営みである。
このほか里親や保護司、民生・児童委員、教誨師、献血、障害者支援など、教友有志による諸活動が社会から大きな評価を得ており、その根底にあるものは同じであろう。
一方、戸別訪問や神名流し、路傍講演などのにをいがけ活動は、直接的に教えを伝え広めようとするものだ。
一見、両者は異なるように思えるが、俯瞰すれば、いずれもご恩報じの行い、教えの実践である。さまざまな社会貢献活動を通じて多くの人々がお道に信頼を寄せることになれば、結果的には、地道なにをいがけの後押しにつながるだろう。
「全教会布教推進月間」は来年9月も実施される。年祭に向けて、各教会が地道なにをいがけ活動を継続するとともに、“現代の難渋”に目を向けた活動に対しても、教会の実情を踏まえつつ、できることから取り組み、布教伝道と社会貢献の両輪をもって世界たすけの道を一層推し進めたい。
(村田幸)