宗教法人天理教に対し法務大臣から「感謝状」
2024・11/27号を見る
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長年の更生保護事業が評価され
宗教法人天理教(代表役員=中田善亮表統領)に対して、先ごろ牧原秀樹・法務大臣(当時)から感謝状が贈られた。
これは、「更生保護制度施行75周年記念全国大会」の席上、更生保護に功績のあった個人・団体に贈られるもの。本教は、奈良保護観察所から推薦を受けた。
本教は、犯罪者予防更生法が制定される昭和24年以前から、非行を犯した青少年の更生保護活動に教友有志が携わってきた。
同年、奈良県保護委員会が発足し、委員長に諸井慶五郎・教務総長(当時、現在の表統領)が就任。奈良県内のほか各地で教友が保護司に選出され、お道の教えに沿って対象者に寄り添う活動が続けられてきた。
31年、天理教保護司連盟結成。42年からは地方での研修会がスタートし、54年から年に1度、親里で研修会を持つように。平成20年以降は各地で「ブロック研修会」が行われ、今年も11月29、30の両日に関東ブロックで研修会が実施される。現在、401人の会員が“ようぼく保護司”として各地で活動している。
また、19年には、教誨師や保護司、民生・児童委員など、犯罪者の矯正および更生保護活動に従事する人材を育成しようと、天理大学が新たな資格課程として「矯正・保護支援課程」を開設。矯正保護の歴史や制度、犯罪者特有の心理、対象者の社会復帰を支援するうえでの心構えなどを学ぶ場が設けられた。
長きにわたり大きな貢献
2024年11月11日、奈良県橿原市の橿原文化会館で「更生保護制度施行75周年記念 令和6年度奈良県更生保護事業関係者顕彰式典」が催され、山澤広次・表統領室室務課長が出席。鈴木庄市・近畿地方更生保護委員会委員長から法務大臣感謝状を受けた。
本教のこれまでの更生保護事業について、藤岡祥郎・天理地区保護司会会長(74歳)は「天理教の方々には、長きにわたり更生保護活動のうえに並々ならぬ貢献をしていただき、大変感謝している。今後も変わらぬお力添えを頂くとともに、更生保護活動の啓発にもぜひご協力いただければ」とコメントした。
このたびの受賞に際し、中田表統領は「戦後、新たな国の制度として更生保護が成立して以降、教会本部の関係者も天理地区において保護司の任を受け持ち、その役割の一端を担ってきたことに感謝状を受けた。また、全国でも多くの教会長、ようぼくが、長きにわたって保護司として活躍している。『人間の反故を、作らんようにしておくれ』との教祖の教えを胸に、今後も更生保護のうえに責を果たしていきたい」と話した。