台湾からの留学生 全国オープン大会でV – 天理大学レスリング部 陳 亞欣選手
2025・1/22号を見る
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天理大学レスリング部の陳亞欣(チン・アキン)選手(1年)は、2024年11月に埼玉県の富士見市立市民総合体育館で行われた「全国社会人オープンレスリング選手権大会」女子55キロ級に出場し、初優勝を果たした。全国大会での優勝は、創部初の快挙となる。
台湾出身の陳選手。一つ上の兄がレスリングをしていたことから、自身も中学2年生のころに始めた。中学時代は柔道部にも所属していたが、相手をマットに倒す楽しさに夢中になり、高校ではレスリングに専念するようになった。
練習を重ね、着実に実力を伸ばしていった陳選手は、2年時に全国大会53キロ級で、3年時に55キロ級で、それぞれ優勝した。
その後、高校時代のコーチの紹介で天理大へ進学。言語の違いや環境の変化に戸惑いながらも、仲間たちの助けを借りて練習に励んできた。2024年6月に行われた「全日本社会人レスリング選手権大会」では、女子55キロ級で3位入賞した。
また、台湾のU20代表に選出され、2024年は「レスリングU20アジア選手権」や「レスリングU20世界選手権」に出場し、大舞台での経験を積んだ。
陳選手の成長ぶりについて、福井裕士・同部監督(35歳)は「来日当初はタックル後の処理など細かい技術に課題があったが、少しずつ良くなってきている。高いポテンシャルを秘めている」と太鼓判を押す。
2024年11月に行われた社会人オープンでは、予選リーグを全勝で突破して決勝トーナメントへ進出すると、準決勝も10‐0で完勝した。
決勝は、序盤に投げ技で相手のバランスを崩し、先制点を奪取。終始優勢に立ち回りポイントを重ねた終盤、相手のタックルにカウンター攻撃を合わせて駄目押しの2ポイントを獲得。9‐2で初優勝を飾るとともに、今大会の女子最優秀選手賞を受賞した。
今年2月、台湾で行われるU20代表選考会に参加する陳選手。目標とする選手に、東京2020オリンピックの女子50㌔級で金メダルを獲得した須﨑優衣選手を挙げる。今後は、同選手が得意とする「アンクルホールド」や「片足タックル」の習得に励みたいという。
陳選手は「『正面タックル』など、この1年の練習の成果をしっかりと発揮することができ、オープン大会はとても楽しく戦うことができた。代表選考会もしっかりと勝ち上がり、もう一度世界の舞台に立ちたい」と話している。