50年続く恒例のひのきしんと「一斉活動日」で年祭へ弾みを – 長野・上伊那北支部
2025・1/22号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
教祖140年祭へ向かう年祭活動では、直属教会による目標を定めた取り組みが進められるとともに、教区・支部でも同じ地域に住むようぼくが互いに励まし合い、勇ませ合って実動することが求められている。こうしたなか、長野教区上伊那北支部(須藤守道支部長)では三年千日2年目の2024年12月8日、50年以上続く恒例のひのきしん活動を、支部の教友たちが年祭活動に勇んで取り組むための契機にしようと、「ようぼく一斉活動日」などで積極的な参加を呼びかけて実施した。ひのきしん当日の様子を、長野在住の天理時報委託記者(道友社OB)が現地からリポートする。
2024年12月8日、南アルプス・中央アルプスの山々に囲まれた長野県伊那市には朝から粉雪が舞う。午前9時前、上伊那北支部の教友59人が、ひのきしん会場の伊那養護学校に集まってきた。
昭和41年の同校開設から数年後、当時の支部青年会委員長だった矢沢保信さん(86歳・大屋敷分教会教人)が発起人となり、同校の清掃活動と献血ひのきしんを始めた。以来、50年以上にわたり、毎年秋に同校で落ち葉掃きを中心としたひのきしんを続けている。
新型コロナウイルスの感染拡大以後、ひのきしんの中止を余儀なくされたものの、4年前に清掃に使う熊手と竹ぼうきを10本ずつ同校に寄付し、活動も再開した。
同校の梶谷祐介教頭は「校庭にどんぐり林があり、毎年秋には手の行き届かない状況になる。そんななか、天理教の方々が多いときには100人以上も集まり、清掃活動に励んでくださる。誰かの役に立つことの喜びと幸せを体現されていると思う」と話す
“教えの実践”促す機会に
同支部では今回のひのきしんを、教友たちが年祭活動により一層弾みをつける好機と位置づけ、2024年11月の3回目の「一斉活動日」などで積極的な参加を呼びかけた。
当日、教友たちは校庭と校内に分かれ、落ち葉掃きや窓拭き、トイレ掃除などに勤しんだ。
参加者の一人、堀内時夫さん(81歳・大屋敷分教会教人・辰野町)は、この活動の発起人である矢沢さんの弟。参加者が落ち葉をかき集めやすいよう、いの一番に校庭の端にある大きな荷車を引き、どんぐり林へと運んだ。
堀内さんは「若いときはあまり信仰心はなかったが、兄に誘われてひのきしんを始めた。40代で事故と病気に立て続けに見舞われ、九死に一生を得てからは、親神様にたすけていただいた感謝と喜びを胸に、所属教会でひのきしんを続けている。体が動く限り、今後もご恩に報いたい」と語る。
一方、窓を丁寧に拭くのは田中美代さん(57歳・上伊那分教会西春近布教所長夫人・伊那市)。一昨年5月、母・まさ美さん(89歳・同ようぼく・同市)が脳出血で倒れ、緊急搬送された。医師から「手術しても危ないかもしれない」と告げられるなか、集中治療室で無我夢中でおさづけを取り次いだところ、医師も驚くほど術後の経過が良く、いまでは自分で食事ができるまで回復したという。
美代さんは「たくさんの方の祈りのおかげで、大難を小難にお連れ通りいただいた。この節を通じて、母がつないできた信者さんの丹精を引き継ぎ、自分にできるおたすけをしていきたい」と決意。年祭活動に勇んで取り組むなか、今回の支部活動でも報恩感謝の汗を流した。
この日、教友たちはそれぞれの思いを胸に、約2時間にわたってはつらつとひのきしんに勤しんだ。
須藤支部長(74歳・下諏訪分教会長)は「今回のひのきしんが、支部の教友の皆さんの“教えの実践”をさらに促す機会になればと思う。〝成人の旬〟に実動の一歩を踏み出せていない教友にも支部活動に参加してもらえるよう、管内の雰囲気づくりに努めていきたい」と話している。
文・写真
宮下駿一(委託記者)