身上への諭しから「つなぎ」の心を意識し – 修養科の四季
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第994期
伴 知成さん
31歳・福岡市・清泉分教会所属
天理市内の熱心な信仰家庭で育った。
専門学校卒業後、リハビリの専門スタッフとして、「憩の家」や奈良県内の訪問リハビリテーション、デイサービスなどで勤めた。この間、転職するたびに両親から「この機会に修養科へ行かないか」と勧められたが、「いまじゃない」と、いつも仕事を優先していた。
一昨年、福岡県内の企業への転職が決まった。新しい仕事に就くための準備が忙しく、今回も修養科は断ろうと思った。しかし親の声を受けて思案する中で、30歳の節目を迎えて自分の中で一つの区切りがついたこと、今後はおぢばから遠く離れた場所で生活することから、「最後のチャンスかもしれない」と思い直し、昨年4月、修養科を志願した。
出し惜しみなく努めようと
急遽の志願だったこともあり、自分の中で何を学びたいかがはっきりしないまま、修養生活がスタートした。
初日、詰所での夕づとめ後に「八つのほこり」の説き分けを拝読したとき、「をしい」の心づかいに目が留まった。そのとき、これまで仕事やプライベートで出し惜しみする機会が多かったことに思いが至った。同時に、3カ月の〝修養の日々〟の始まりに際し、親神様が私の課題を知らせてくださったように思い、以後は何ごとにも出し惜しみなく努めることを誓った。
2カ月目の終わりごろ、持病のアトピー性皮膚炎が顔面に発症した。さらに、ウイルスが目に感染し、医師からは「このまま放っておいたら目が見えなくなる」と告げられた。
思いがけない事態に大きなショックを受け、薬の副作用もあって床に伏せる日が続いた。療養中は、教養掛の先生や同期の仲間がおさづけを取り次いでくださった。おかげで症状が徐々に和らぐとともに、気持ちも軽くなっていった。
そうしたなか、担任の先生から「皮膚に見せられた身上だから、まず『つなぎ』のご守護について思い返そう」と諭され、自身の通り方を振り返った。その中で、これまで周囲の人が人間関係のトラブルで悩んでいるとき、心のどこかで目をつぶっていたこと、仕事の忙しさから教会やお道とのつながりを軽んじていたことを反省した。
授業に復帰してからは、悩みを抱えるクラスメートに積極的に声をかけ、相談に乗るよう心がけた。また、空き時間には本部神殿へ足を運び、クラスメートのたすかりを願っておつとめを勤め、親神様・教祖に心をつなぐことを意識した。
3カ月目の終盤には、肌の調子もずいぶん良くなり、目にも異常はなくなった。大難を小難にお連れ通りいただいたことはもちろん、支えてくださったすべての人に対して感謝の気持ちが湧いてきた。
修養科での3カ月を通じて、お道のありがたさにあらためて気づくことができた。今後は、おぢばや教会にしっかりと心をつなぎ、ほこりを積まぬよう意識するとともに、「人のために、いまの自分にできること」を全力で実行できるようぼくを目指そうと、決意を新たにしている。
◇
修了後、新しい職場でリハビリ整体業に従事している。忙しい日々の中でも、2カ月に1回は、本部月次祭や所属教会に参拝している。
職場では、利用者と向き合う中で考えさせられることも多々あるが、おぢばを心の拠り所として、日々を勇んで通ることができている。たとえ距離は離れていても、心は常におぢばのほうへ向け、ようぼくとして一層成人できるよう努力を重ねていきたい。