「守り勝つ野球」準備万端 センバツ大会事前特集【守備編】- 天理高校野球部
2025・2/19号を見る
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既報の通り、天理高校野球部は3月18日に開幕する第97回「選抜高校野球大会」に3年ぶりに出場する。ここではセンバツ大会の事前特集として、春の甲子園に向けてトレーニングに励む天理高校野球部の特徴を「守備編」「攻撃編」に分け、2週にわたって紹介する。今号は守備編。
昨秋の公式戦8試合でエラーは5。新指揮官・藤原忠理監督(59歳)の掲げる「守り勝つ野球」のテーマのもと、相手に隙を見せない堅守が持ち味だ。
「大所帯のチームを一人で牽引するのは負担が大きい。副キャプテンを置かず、チーム内の信頼を置ける二人にキャプテンを任せたいと思った」という藤原監督の構想から、永末峻也選手(2年)が打撃、赤埴幸輝選手(同)が守備のキャプテンを担う、二人の主将を置く新体制をスタートさせた。
秋の県予選で快勝し、近畿大会を勝ち上がっていったチームは、準決勝で兵庫県代表の東洋大学附属姫路高校に完敗。この結果を踏まえ、選手たちは「体づくり」をテーマに、この冬を過ごした。ウエートトレーニングに時間を費やして筋力アップに努めるとともに、栄養士の指導のもと食事の量も増やしたところ、多くの選手が体重を増加させ、体の厚みも増した。
守備の要であるショートを守るのは、赤埴キャプテン。1年春からベンチ入りし、守備範囲の広さと柔らかなグラブさばきで「守り勝つ野球」を支える。
また、センターの吉田泰輝選手(同)が足の速さを生かし、外野の広範囲をカバーする。
守備練習の際には、監督とコーチの二人がノッカーを務める「2カ所ノック」をメニューに採用。この練習を導入した経緯について、藤原監督は「発展途上の高校生は、とにかく“数”をこなすことが大切。捕球の感覚を繰り返し養い、考える前に体が動くまで成長できるように」と話す。猛特訓の成果は、秋大会の堅守に現れた。
エースは下坊大陸投手(同)。得意の縦のスライダーやストレートなどを駆使し、試合をつくっていく。
このほか、近畿大会準々決勝で四回から登板し、気迫溢れる投球で九回まで無安打に抑えた伊藤達也投手(同)や、この冬にサイドスローからアンダースローにフォームを変えた成長株の松村晃大投手(同)など、多彩なピッチャーがそろう。
藤原監督は「『守り勝つ野球』を体現できるチームが順調に仕上がってきている。昨年、高校野球に低反発バットが導入され、今後は〝動く野球〟が主流になると予想しているので、相手チームの“動き”に対処できるよう鍛えていきたい」と話す。
下坊投手は「しっかりと試合をつくることを意識して投げたい。自信のあるスライダーを武器に全国制覇を目指す」と気合を入れる。
赤埴キャプテンは「この冬のトレーニングで俊敏性が高まり、守備の動作が格段に良くなっていると感じる。応援してくださる方たちのためにも、両キャプテンがチームを引っ張り、良い結果を出せるよう、目の前の試合にしっかり集中して戦っていきたい」と話している。






