ハワイ出身のようぼく議員 州議会初の女性下院議長に – 話題を追って 海外版
2025・3/26号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
ナカムラ・ナディーンさん
63歳・ラナイ教会ようぼく
アメリカ合衆国ハワイ州在住のナカムラ・ナディーンさん(63歳・ラナイ教会ようぼく)は、2016年からハワイ州議会の下院議員として同州の公共政策の形成に努めている。今年1月、女性として初めてハワイ州議会の下院議長に就任した。お道の教えを胸に、議事進行を統括するようぼく議長を紹介する。
現在、約140万人の住民を代表する上院25人、下院51人の議員で構成されるハワイ州議会。先ごろ下院議長に就任したばかりのナカムラさんは、州上院議長、州知事、州最高裁判所長官と緊密に連携を取りながら、議会の運営や法案の審議に意を注いでいる。
「ハワイをアメリカ合衆国の中でベストな州にすることに貢献したい」
議員になる前から出身地であるカウアイ郡の行政活動に取り組んできたナカムラさん。2016年に下院議員選挙で初当選して以来、議員として8年にわたり環境の改善や貧困層への支援など、住民のニーズに応える政策実現に力を尽くしてきた。
こうしたなか昨年8月、所属党内の予備選挙で前議長が落選したことから、後任としてナカムラさんに白羽の矢が立った。その後、選挙で過半数の支持を受け、女性として初の下院議長に選出された。
教えの実践を心がけ
信仰のある両親(前田広義・メイベル夫妻)のもとで生まれ育ったナカムラさん。ラナイ教会初代会長の菅芳枝さん(故人)を祖母に持つ。子供のころからサンデースクールやアロハ(鼓笛)バンドに参加し、定期的におぢば帰りするなど、教えを身近に感じてきたという。
「両親が『謙虚であること、一生懸命働くこと、人をたすけること』の大切さを、実際に教えを身に行う姿を通じて教えてくれた。そして、その信仰は私の人生をサポートしてくれた。いまでは毎朝、親神様・教祖に家族や友人の健康と幸福をお祈りするなど、教えの実践を心がけている」
20年以上前、ようぼくの仲間入りを果たした。昨年、息子とその友人6人を連れておぢば帰りし、初席を運んでもらうなど、多忙な中もおぢばに心をつないでいる。
一方で、議員として多様な価値観を持つ人々と向き合うなか、意見の相違があれば妥協点を見いだし合意形成を図るなど、互いに尊重し合うことを心がけているという。
「政治の世界は、思い通りにいかないことのほうが多い。しかし、日々の祈りの中で親神様に感謝を捧げ、物事を大局的に捉えて、心のほこりを払うようにしている」
今年1月の下院議長就任式におけるスピーチでは、母・メイベルさんから「謙虚さ、敬意、そして人の良いところを見つけることを大切にすること」と助言を受けたことを紹介。また演説前には、ナカムラさんの要請でホノルル港教会の岩田タッド教司会長が開会の祈りを捧げ、「思いやりとたすけあいの精神」の大切さを述べた。
初の女性下院議長として議会のかじ取りに努める傍ら、あらためて「みかぐらうた」について学んでいるというナカムラさん。「手ごろな住宅の開発、3歳児と4歳児を対象とする普遍的な就学前教育などの政策を早急に実現していくことが私の目標。これからも、お道の教えを伝えてくれた両親への感謝を胸に、ハワイ州のより良い未来のために、たすけ合いの心で議長としてのつとめを果たしていきたい」と話した。
(ハワイ・美馬社友情報提供)