天理大学創立100周年記念イベント盛況に
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既報の通り、今年、創立100周年を迎えた天理大学は現在、「CONNECT『つながる』を、始めよう。」のコンセプトのもと、さまざまな記念事業を展開している。その一環として、同大附属天理参考館(橋本道人館長)では4月16日から「天理大学創立100周年記念」と銘打って第98回企画展「絆――ヒトとヒトをつなぐモノ」を開催している。また、同大創作ダンス部が5日、台湾の國立台北藝術大学と共同で国際交流ダンス公演を行った。
人々の“絆”を見つめ直す
参考館 天理大創立100周年記念 第98回企画展
「絆――ヒトとヒトをつなぐモノ」
天理参考館主催の第98回企画展「絆――ヒトとヒトをつなぐモノ」では、人と人がつながり合う中で作られ、使用され、伝承されてきたモノを三つのカテゴリーのもとに展示。アメリカ南西部に暮らす先住民の間で伝えられてきた、創造主と人間の中間的存在をかたどった「カチーナ人形」など、古今東西の考古美術品と民俗資料を通じて、地域や時代を超越して存在する人間同士の“絆”を物質文化の視点から浮き彫りにし、そのありようを見つめ直すことをねらいとしている。
世界最大級の家系図公開
同企画展では、モンゴル帝国の創始者であるチンギス・ハーンの子孫から始まるおよそ1万2千人の名前が記された世界最大級の家系図が初公開されている。直径約5.6メートルに及ぶ円形の家系図は、帯状の木綿布10枚を縫い合わせたもの。1905年に作成されたと見られる。


中心に記されているのは、17世紀にモンゴル東部を治めた貴族であるチェチェン・ハーン・ショロイ(1577~1655)。そこから14世代にわたって、放射状に広がるように子孫の名がモンゴル文字で記されており、ショロイから数えて19代目のアクワン・ナリン(在位1910~23)までの系譜が確認されている。
家系図では、親子関係が点線で、世代の区切りが赤線で示されている。世代が進むごとに子供の名前の数が増えていくところに、一夫多妻制が一般的だった当時の社会背景がうかがえる。このような家系図はモンゴル国内でもわずか3例しか確認されておらず、当時のモンゴル社会における権威と血統の関係を解明するうえで、世界的にも極めて価値が高いものだという。
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同展の会期は6月2日まで(休館日は、28日、30日、5月7日、13日、20日、27日)。開館時間は、午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)。


なお、関連イベントとして、写真展「天理大学100年をたどる――キャンパスと学生生活」が同館3階ロビーで開かれている。
(23日記)
台湾の学生と国際交流公演
天理大創作ダンス部
天理大学創作ダンス部(塚本順子部長)は5日、天理大創立100周年および体育学部創設70周年を記念して、「國立臺北藝術大学・天理大学創作ダンス部国際交流ダンス公演」を天理市のなら歴史芸術文化村ホールで開催した。
この公演は、大学生によるダンス表現を通じた国際交流と異文化理解の促進を目的とするもの。台北藝術大の参画のもと6年前から東京で開かれている、大学生のためのダンスプログラムが来年リニューアルされることを受け、新旧公演の“橋渡し”として天理大との国際交流公演が企画された。
台湾でのレッスンも
昭和44年に創作舞踊同好会として発足した天理大学創作ダンス部。59年に部へ昇格して以来、数々のコンクールや舞台で個性豊かな演技を披露してきた。
また、同部は今回の公演に先立ち、台北藝術大学で行われたダンスキャンプに参加。部員たちは、現地の学生と共に多様なダンスレッスンを受けながら、本番に向けて演技に磨きをかけてきた。
当日は、プロの照明・音響スタッフのサポートのもと、天理大学が3作品、台北藝術大学が3作品、友情出演した大阪体育大学が1作品を披露した。
フィナーレでは、天理大創作ダンス部の学生4人が「Moon Barge」と題した作品を上演。思い合う二人が互いに離れた場所から同じ月を見て、相手に対する思いを馳せるという、不安定で儚い関係性を独創的な動きで表現した。演目の終了後、観客から盛大な拍手が送られた。