陽気ぐらしをめざして社会に貢献できる人材を – 天理大学創立100周年記念式典
2025・5/7号を見る
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今年創立100周年を迎えた天理大学(永尾比奈夫学長)は、創立記念日である4月23日、真柱奥様、大亮様ご臨席のもと、「天理大学創立100周年記念式典」を陽気ホールで開催。西村高則・奈良県副知事をはじめ、最初の海外交流協定校である韓国外国語大学校のキム・ミンジョン副総長、中国文化大学の王子奇学長など、関係者302人が出席した。
大正14年、世界たすけに寄与する海外布教師の養成を目的に天理外国語学校として創設された同大学。100周年の節目に当たる今年、「CONNECT『つながる』を、始めよう。」をコンセプトに、さまざまな事業を展開している。
式典では、「よろづよ八首」奉唱の後、真柱様のメッセージを、中田善亮表統領が代読した。
その中で、創設者である中山正善・二代真柱様が天理外国語学校設立に託された思いは、本教の海外布教にあったと明示。自ら教壇に立って「おふでさき」の講義をなされるなど、本教の将来を担う人材の育成に強い意欲を持って当たられたと話された。
続いて、現在の天理大学は、人類のふるさとである親里ぢばの宗教的な落ち着いた環境のもと、人間的な触れ合いを通して、人としての基本的教養と専門的な学識を身につけ、本教の教えをもとに陽気ぐらしの喜びを体得してもらうことを使命としているとして、陽気ぐらしを目指して社会に貢献できる人材を輩出してほしいと期待を寄せられた。
また、本教の教育機関の淵源は、明治33(1900)年に設立された天理教校にあるとして、教育を進めるうえで大切にされたのは、学校では世間一般の物事の道理を教えるが、その道理の成り立つ元となる親神様の教えをしっかり伝えることであったと指摘。天理大学の設立は、教祖40年祭を翌年に控えた年であることを踏まえ、「創立100周年の喜びが、教祖140年祭に向かう本教の動きに、大いに力となることを」と願われた。
最後に、100年の長きにわたって活躍を続けてきた天理大学が、今後も建学の精神を忘れることなく、皆が力を合わせてその具現化に励み、より一層充実した教育機関となることができるよう努めていただきたいと述べ、メッセージを締めくくられた。
独自の教育を充実させて
これに先立ち、あいさつに立った永尾学長は、天理大学はこれまで一貫して「陽気ぐらし世界建設に寄与する人材の養成」を掲げており、そのために「心」「言葉」「行動」の三つの「こ」を育てていくことの重要性を強調した。
また、創立100周年のコンセプト「CONNECT『つながる』を、始めよう。」に言及。肝心なのはつながる先にいる人々であるとして、これから行う記念事業や行事を通じて、手を伸ばしたところにいる人々に温かいたすけの支援の手を差し伸べ、真心を込めて行動に移すことに注力することが大切と述べた。
そのうえで、建学の精神に基づく独自の教育を充実させ、次の100年への確かな布石を投じていくと決意を表明した。
式典に続き、同大学雅楽部と創作ダンス部による記念公演「創生記」が上演。元初まりの話をイメージした演奏・演技が披露され、会場から温かい拍手が送られた。








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なお、式典の前には、旧本館・1号棟前で、中田表統領臨席のもと、1号棟碑陶板プレートの除幕式が執り行われた。
また、同日午後には同大学の同窓会である「ふるさと会」が主催する公開シンポジウム「天理大学100年の歴史は1号棟からはじまった」が、同大学ふるさと会館で行われた。




COLUMN
天理大学 100年の歩み
大正14(1925)年、世界たすけに寄与する海外布教師の養成を目的に、中山正善・二代真柱様によって天理外国語学校として創設。15年、天理外国語学校附属天理図書館開設。昭和5(1930)年、天理参考館の前身である海外事情参考品室開設。19年、天理語学専門学校に校名変更。24年、天理大学開学となる。30年、体育学部設置。平成4(1992)年、人間関係学科、歴史文化学科などを新設。16年、大学院(臨床人間学研究科臨床心理学専攻)開設。令和5(2023)年、天理医療大学と統合。6年、改組し4学部15学科体制となり、現在に至る。
創立100周年記念式典の様子を動画でご覧いただけます。