体重別選手権で初タイトル – 天理大学柔道部 顕徳海利選手
2025・5/7号を見る
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天理大学柔道部の顕徳海利選手(3年)は、4月5日に福岡市の福岡国際センターで行われた「全日本選抜柔道体重別選手権大会」男子66キロ級に出場。トーナメントを勝ち上がり、初優勝に輝いた。
4歳上の兄・大晴選手(天理大学柔道部OB・平川商事所属)の影響を受け、5歳から地元の道場へ通い始めた。めきめきと頭角を現し、中学2年時に「全国中学校柔道大会」男子50キロ級で準優勝。翌年、同55キロ級で優勝を果たした。
その後、神戸市の神港学園高校へ進学。このころ「世界柔道選手権大会」を2度制した天理大学OBの丸山城志郎さんに憧れ、その得意技である「内股」を研究して自らの武器とした。
高校時代は、2年時に「全国高校柔道選手権大会」男子66キロ級で優勝すると、3年時に「全国高校総合体育大会」同66キロ級を制するなど、同世代で抜きんでた存在になった。
臆さず戦う姿勢を
「兄や丸山さんと同じく、伝統ある“天理柔道”を学びたい」と天理大学へ進んだ顕徳選手。練習では、自分よりも体格の大きい選手と積極的に組み合い、技の威力や精度を高めていった。
昨年9月、「全日本ジュニア柔道体重別選手権大会」男子66㌔級に出場。決勝まで勝ち進んだが、福地駿多朗選手(筑波大学1年)に延長戦の末敗れ、2位に終わった。
翌10月、タジキスタンで行われた「世界ジュニア柔道選手権大会」では、決勝で福地選手に再び苦杯をなめたが、団体戦では「一本勝ち」をするなどして、チームの優勝に貢献した。
「試合中に集中力を欠いたことなど、詰めの甘さを痛感した。臆さずに、もっと積極的に戦う姿勢を出していかなければと思った」と振り返る。
今回の体重別選手権に向け、普段の練習に試合前の準備運動をルーティンとして取り入れるなど、集中力を高めてきた。
迎えた大会当日。接戦となった初戦を制すと、続く準決勝は、昨年の世界柔道で銀メダルを獲得した武岡毅選手(パーク24所属)と対戦。試合終盤、相手の攻撃をかわして仕掛けた「隅落」で「技あり」を奪い、勝利をつかんだ。
「急がず焦らず、時間がかかってもいいから投げる」と臨んだ決勝では、延長39秒に「背負投」で「有効」。激闘を制し、体重別選手権で初タイトルを獲得した。
顕徳選手は「結果が出ずに悩んだ時期もあったが、自分を信じて練習を続けた成果がやっと出た。監督や支えてくれた仲間に感謝している。今後は、一つでも多くの大会で優勝したい」と話している。