与えられた役割を果たし – ひのきしんスクールシンポジウム「一手一つにおたすけの実動を」から
2025・5/7号を見る
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ひのきしんスクール(橋本武長運営委員長)は3月25日、シンポジウム「一手一つにおたすけの実動を――おたすけに困った時に役立つ相談先の紹介」を陽気ホールで開催。各地から115人が参加した。これは、教祖140年祭に向けて人だすけに勤しむうえで、個々での解決が困難な身上・事情のおたすけに資するための有益な知識を得たり、当事者同士がつながり合い、励まし合ったりする場についての情報を提供しようと開かれたもの。
講話では、中田善亮表統領が登壇した。
その中で、中田表統領は「諭達第四号」の一節をもとに、ようぼくは教祖の道具衆としての自覚と誇りを持ち、その思召にお応えしようとする努力が求められるとして、周囲の中で自分に与えられた役割をしっかり果たすことが大切と話した。
さらに、おたすけの原動力は道具衆としての自覚とご恩報じの思いであり、いまは外に向かっての働きかけが重要であると強調。医療や福祉が発達した現代にも身上・事情に苦しむ人は大勢いるとして、ようぼくは福祉に関する制度や施設についての知識を学びつつ、お道の教えをもとに心がたすかるよう導かなければならないと語った。
そのうえで、おたすけに資するさまざまな知識や手だてを学ぶことができるのが「ひのきしんスクール」であるとして、自分の役割とやりがいを感じる機会となるよう、より多くの人に活用していただきたいと求めた。
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この後、体験談の発表に続き、「依存症たすけあいの会」代表の鈴木顕太郎氏(東濵名分教会前会長)と「天理ファミリーネットワーク」幹事の東井申雄氏(本部准員)を迎え、パネルディスカッション「つながりあってたすかる」が行われた。
冒頭、司会から布教部社会福祉課が後援する「依存症たすけあいの会」と「天理ファミリーネットワーク」、「キッズネット天理」について紹介(コラム参照)。続いて、鈴木氏と東井氏が自身の体験をもとに、お道のおたすけのあり方について意見交換した。
その中で、鈴木氏は、依存症の問題は複雑で、一人では解決が困難であり、治療には専門的な知識を学ぶことと周囲とつながることの二つが求められるとして、その根本には、親神様・教祖が必ずご守護くださるという神一条の信仰信念が欠かせないと述べた。
一方の東井氏は、複雑な身上・事情のおたすけでは、たすける側も疲弊してしまうことがあると指摘。その際は、自助グループを活用することで悩みを共有し、心の負担を減らすことができると話した。
また、一方的ではなく、互いにたすけ合うことが当事者のたすかりにつながる場合があるとして、寄り添いながら信頼関係をつくることが大切と語った。
COLUMN
依存症たすけあいの会
平成27年、依存症の問題に悩む教友の交流や情報交換などを目的に発足した、教内の関係者が運営する自助グループ。現在、悩みを分かち合うためのミーティングや、依存症のおたすけに役立つ知識を学ぶ「基本講座」を毎月開催している。
天理ファミリーネットワーク
平成14年、ひきこもり・うつの当事者の家族とおたすけに関わる人への継続的な支援を目的に発足。年に数回、教友同士で学び支え合う場として「『ひきこもり』『うつ』を考える集い」を、毎年3月に教内外の専門家を招いて「公開講座」を実施している。
キッズネット天理
平成21年、発達障害や不登校など、さまざまな問題を抱える子供と関わりを持つ教友同士のネットワークとして発足。月に一度、障害のある子供を持つ保護者と交流するためのオンラインサロンを開いている。