動画ルポ ひのきしんで味わう喜び – 陽晃分教会 晃栄理布教所「おやさとひのきしん」
2025・6/18号を見る
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天理教ホームページ「信仰している方へ」内で視聴できる「天理教WEB動画」では、「動画ニュース」のほか、教祖140年祭へ向かう教内の取り組みを紹介する「シリーズ三年千日」、親里のひと月の動きを振り返る「おやさと このひと月」など、さまざまな映像コンテンツを随時公開している。その一つ「ようぼくぴーす」は、ようぼく一人ひとりをパズルの“ピース”に見立て、陽気ぐらしという“パズル”の完成に向かって取り組んでいる姿を、ルポ形式で紹介するもの。ここでは、「ようぼくぴーす」の動画ルポを再現する企画の第2弾として、三年千日の旬に、「おやさとひのきしん」に毎週勤しむ陽晃分教会晃栄理布教所の教友たちの姿を紹介する。
教祖140年祭へ向かう三年千日活動の後押しになるよう、親里では現在、ひのきしんを希望する団体・個人に対し、「おやさとひのきしん」の受け入れを実施している。
こうしたなか、年祭活動が始まった当初から、毎週木曜日に「おやさとひのきしん」に取り組んでいる教友がいる。髙安大教会部属陽晃分教会晃栄理布教所につながるようぼく・信者たちだ。
布教所長の堀健一さん(59歳・大阪府阪南市)は、日ごろ虐待家庭の保護に取り組む施設のアドバイザーとして働く一方、教会や布教所の御用に熱心に取り組んでいる。髙安大教会では、三年千日に勢いをつけて臨もうと、年祭活動が始まる1年前から親里での伏せ込みひのきしんの実施を呼びかけており、健一さんも布教所の信者さんを誘って実動するようになった。
“都合がよくないこと”を談じ合い
年祭活動が始まる直前、布教所につながる信者に身上の節を見せられた。
健一さんは、この節を生き節へと変える方法を模索。上級教会である難陽分教会の杉本博・2代会長に尋ねると、「人間は自分で良いと思っていることでも、天から見れば違うことがある。天から見て良いことは、自分たちにとって都合が悪いことが多いから、都合の悪いことをさせてもらいなさい」と勧められた。
その後、にをいがけ・おたすけに、仕事にと、多忙な日々を送りながら、健一さん夫妻は自分たちにとっての“都合がよくないこと”を談じ合った。
「布教所からおぢばまで車で往復4時間かかり、ひのきしんを半日するだけでも、丸一日の時間が必要になるため、とても“都合が悪い”。これしかないと思った」
こうして、それまで月1、2回行っていたおぢばでのひのきしんを、教祖140年祭へ向かう三年千日の期間、毎週必ず実施することを心定めした。
週に一度のおぢばでのひのきしんを始めた当初は、回廊拭きや神苑の草抜き、本部月次祭祭典後のパイプいすの撤収ひのきしんなどに努めていた。
そんなある日、豊田山墓地のひのきしんの手が足りないという話を聞いた健一さんは、早速、ひのきしんを申し出た。すると快く受け入れられ、以後、豊田山墓地周辺でのひのきしんがスタート。さらに、おやさとやかた周辺でもひのきしんの手が行き届かない場所があることを知り、月2回は豊田山墓地で、残り2回はおやさとやかた東棟でひのきしんに取り組むことを決めた。



「おやさとひのきしん」を毎週続けるなか、信者の身上はだんだん快方へ向かっていき、年末には、たすけられた喜びを広めようと、信者家庭に講社を構えることに。こうした姿について、健一さんは「心を定め、ひのきしんの数を重ねたからこそ喜びを味わうことができた」と振り返る。
また、年祭活動2年目を迎えた2024年1月、所属教会の春季大祭の日、祭典後の片づけをしていた健一さんの妻・美江さんの左膝に突然激痛が走った。病院では手術を勧められたが、翌週、再び受診すると、手術の必要がなくなるという不思議なご守護を頂いたという。
美江さんは「近所でおたすけに当たる中で膝を痛めた人におさづけを取り次ぐことが多く、今回の身上でその人たちの痛みを自分に教えて、神様が『おたすけをしなさい』とお手紙を下さったのだと思った」と話す。
教友がたすけ合い、手を取り合って
健一さんたちと共に「おやさとひのきしん」に励むようぼくの中に、京都府木津川市在住の小林豊子さんがいる。
小林さんは、教祖140年祭へ向かう三年千日の期間に、二日に一度のおぢば帰りを心定めしている。そんななか、ある日、所属教会は違うものの、以前から顔見知りだった健一さん夫妻と神殿で偶然会った。この日以来、毎週一緒にひのきしんに勤しんでいる。
小林さんは「『おやさとひのきしん』が年祭活動の充実になるかなと思い、喜んで参加している。ひのきしんを通じて、元気に体を貸していただけるご恩に少しでもお礼ができれば」と、おやさとやかたの窓を拭く手に力を込める。
一方、杉本三郎さんも「おやさとひのきしん」に勤しむ教友の一人。40年ほど前、健一さんに信仰を伝えた杉本さん。「こどもおぢばがえり」の引率やさまざまな御用を通じて成人の道を歩んできた。このたびの年祭活動が始まるとき、健一さんから「おやさとひのきしん」への誘いを受けた。
杉本さんは「自分のいんねんから、いろいろ苦しんだこともあったが、いまも元気に通らせていただき、おぢばに帰ってひのきしんができる喜びを感じている。教友同士がたすけ合い、手を取り合うことで、一人ではできないことを達成できるのがうれしい」と話す。
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健一さんは、年祭活動に一人でも多く参加してもらい、教祖にご安心いただきたいと、周囲の人に積極的に声をかけてきた。そのなか、昨年末に目が見えにくくなる身上の節に直面した。
症状が進行し、失明も覚悟したが、家族をはじめ、所属教会や布教所の教友がたすかりを願い、お願いづとめを勤め、おさづけを取り次いでくれた。そのおかげで、年明けには視力が以前よりも回復するという鮮やかなご守護を頂いた。
健一さんは「身上を頂くまでは、頭で分かっていたつもりだった『かしもの・かりもの』の喜びを、『おやさとひのきしん』を通じ、だんだんと感じさせてもらえた。親神様・教祖のお膝元で体を使える『おやさとひのきしん』の喜びは、頭で分かるというよりも、胸の内で誰でも味わえる特別な喜びだと思う」と力強く語った。
記事の元になった動画「ようぼくぴーす」を見ることができます