コロナ下で“育成の歩み”続けて「鼓笛オンパレード」の観覧席から – リポート 心をつなぐ鼓笛活動
既報の通り、少年会本部(西田伊作委員長)は8月28日までの週末、3年ぶりとなる特別企画「鼓笛オンパレード」を開催している。新型コロナウイルス感染
拡大の影響により、楽器演奏や集まっての鼓笛練習が難しい期間が長引くなか、各地の鼓笛隊では、さまざまな工夫を凝らして〝育成の歩み〟を続け、子供たちの心をつないできた。ここでは、「鼓笛オンパレード」の観覧席から取材した、各地の鼓笛隊の取り組みをリポートする。(8月24日記)
牛込団江東鼓笛隊は7月31日、「オンパレード」に出演。24人の少年会員が3年ぶりの“本番”に臨んだ。
コロナ禍で、毎月実施していた鼓笛練習も中止を余儀なくされた。以後、感染状況に鑑みながら、お楽しみ行事を開くなど“今できる活動”を続けてきた。
こうしたなか今年4月、「オンパレード」開催の発表を受け、練習再開。5月に2回、さらに6、7の両月に毎週の練習日を設けた。このほか、少年会を終えた高校生スタッフが、自主的に子供たちに個人練習を呼びかけ、それぞれ限られた時間内で演奏に磨きをかけてきたという。
迎えた当日。コロナの影響で7人が参加できなかったが、責任者の川合広樹さん(44歳・江東分教会長・東京都狛江市)は「参加できない子たちの思いも込めて演奏しよう」と呼びかけ、本番へ。隊員たちは練習の成果を発揮し、見事に「金賞」を受賞した。
川合さんは「子供たちは、参加できない子の分も自分が頑張るんだという思いで精いっぱい演奏していた。たすけ合いや心を合わせることの大切さを学べることが鼓笛活動の素晴らしさだと、あらためて実感した」と話した。
さまざまな工夫重ね
愛知教区西区支部鼓笛隊は、コロナ下となっておよそ1年間、鼓笛練習ができなかった。
こうしたなか、スタッフの一人が支部鼓笛隊の機関紙の発行を提案。隊員の近況報告や、新入隊員の紹介、育成スタッフの言葉などを掲載し、各家庭へ配ったところ、好評の声が寄せられた。
こうして一昨年夏、鼓笛練習を再開。全体練習に参加できない隊員のためにリモート練習を実施したほか、各家庭での練習動画を送った隊員にはポイントを付与し、ポイントと景品を交換することでやる気を引き出すなど、さまざまな取り組みを重ねてきた。
迎えた本番は、行進練習ができなかったことから「立奏」の形で出場。隊員たちは一手一つに演奏・演技を披露し、「特別賞」を受賞した。
責任者の田中理嗣さん(53歳・名美原分教会長・名古屋市)は「演奏後、子供たちが楽しかったと口々に言っていた。従来通りの活動は難しかったが、工夫して練習を続けた結果が出せたと思う。今後も鼓笛活動を通じて、子供たちにお道の精神を伝えていきたい」と話した。
初出場で「金賞」受賞
神崎団Fortune鼓笛バンドは8月14日、初めて「オンパレード」に出演した。
同バンドの隊員9人は、全員が山口県内に在住。昨年まで兵庫県神河町の神崎大教会を拠点とする神崎団神崎鼓笛バンドの活動に参加していたが、神崎鼓笛バンドが創立40周年を迎えたことを機に、単独隊としてスタートした。
活動を始めるに当たり、各パートのメンバーの割り振りを再編成。それぞれ少人数になったことから、初めて手にする楽器を担当する子供がいたものの、OBの高校生が指導を手伝うなどして練習を続けてきた。
本番当日、隊員たちは堂々と演奏・演技を披露。初出場で「金賞」に輝いた。
責任者の重長繁実さん(61歳・福波分教会長・山口県宇部市)は「子供たちは『オンパレード』に出られることを心から喜んでいて、生き生きと演奏してくれた。今後は、さらに人数を増やし、にぎやかな鼓笛活動にしていきたい」と抱負を述べた。