ハワイの球児が親里へ “天理野球”を体験
2025・6/25号を見る
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ホノルル港教会の岩田タッド教司会長が引率
ハワイで野球を習う高校生とコーチら62人が6月3日から7日にかけて、ホノルル港教会の岩田タッド教司会長(48歳・ホノルル市)の引率で来訪した。これは、ハワイの高校生たちに“天理野球”を体験してもらおうと、岩田会長が企画したもの。一行は、管内学校の野球部員たちと練習に汗を流したほか、生徒との交流会や、宿泊先の防府詰所でのひのきしんなどを通じて、感謝の心を育んだ。
「プレーボール!」
6日午後4時、親里の木堂グラウンドに試合開始の合図が響き、ハワイから来訪した高校生の野球チームと、天理中学校野球部による交流試合がスタート。両チームの選手たちは日ごろの練習の成果を発揮しようと、はつらつとプレーした。
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2024年、岩田会長は自教会につながる信者を通じて、プロ野球・阪神タイガースの元投手であるリチャード・オルセン氏と知り合った。ハワイ出身のオルセン氏は、1983年から84年にかけて日本でプレー。プロ選手を引退後はハワイで指導者となり、地元のトップ選手を連れて日本を訪れ、各地の高校野球チームと対戦してきた。
かねてハワイと親里の学生・生徒の交流の機会を設けてきた岩田会長は、オルセン氏に「親里で“天理野球”を学んでみないか」と提案。天理高校が高校野球の名門校であることを知っていたオルセン氏は快く承諾し、2025年3月に初めておぢばへ帰った。
滞在中、本部神殿参拝や天理高硬式野球部が練習する親里野球場の視察をするなどして、天理の町の雰囲気や充実した施設に感心したオルセン氏は、「これからのハワイの高校野球界の発展のために、若い選手たちのおぢば帰りの体験は重要だ」と、岩田会長と共に交流会を計画。ハワイの高校生から成る野球チーム「パックファイブ」と「カハラウォリアーズ」の来訪が決定した。
思いやりの精神学ぶ“スペシャルな体験”
一行は4日、本部神殿を参拝後、天理高校舎を見学し、硬式野球部員と交流。翌5日は軟式野球部と合同練習を行った後、宿泊先の防府詰所で交流会を催し、親睦を深めた。
6日、天理高2、3年の生徒と交流。この後、木堂グラウンドへ移動し、天理中野球部と交流試合を実施した。
試合終了後、仲間と感想を語り合っていた本田雄大さん(ミリラニ高校1年)は「野球選手としてのスキルの高さはもちろん、声を出して仲間を鼓舞するなど、天理の選手たちの思いやりの精神に感動した。私の人生の中で、かけがえのない体験になった」と笑顔を見せた。
「パックファイブ」の監督を務めるオキナカ・キップさん(57歳)は「選手たちが自主的に動いて練習に臨む姿から、天理の野球チームの主体性と規律正しさを感じた。われわれのチームの選手たちも大いに刺激を受けたようだ。ハワイに戻ってからも、天理での“スペシャルな体験”を指導に生かしていきたい」と話した。
また、期間中、ハワイの高校生たちは、防府詰所で早朝からトイレ掃除や敷地内の除草などのひのきしんにも勤しんだ。
岩田会長は「おぢばで過ごした期間を通じて、ハワイの生徒たちに“当たり前”に感謝する心を培ってもらえたと感じている。今回得た学びを、これからの日常生活に生かしてもらえれば」と語った。