心定めの実践通じて日々を明るく前向きに – 修養科の四季
2025・7/16号を見る
【AI音声対象記事】
スタンダードプランで視聴できます。
第1000期
竹下ゆりえさん
26歳・京都府京田辺市・圓山分教会所属
教会で生まれ、天理教校学園高校(当時)を卒業後、リハビリ専門学校を経て、作業療法士として病院で勤務。コロナ下の当時、目の前の患者さんに寄り添いたい一心で懸命に働き、夜遅くまで勉強にも励みました。しかし、想像以上に仕事が忙しく、次第に心身ともに疲れていきました。さらに、弱音を口にすれば心が折れてしまいそうで誰にも相談できずにいました。
我慢の限界を迎えた昨年春、教会長夫妻である両親に初めて悩みを打ち明けると、「修養生活を送ってみてはどうか」と勧められました。私もいったん立ち止まり、教えを学びながら自分自身と向き合いたいと思い、4年半勤めた職場を退き、10月からの修養科第1000期への志願を決めました。
心のほこりを払い
修養生活では、教理を学ぶ傍ら、クラスメートと共にひのきしんに励みました。さまざまな身上・事情を抱えながらも、教えを胸に勇んでひのきしんをする仲間の姿に、私の心も少しずつ前向きになっていきました。
そんななか、2週間が過ぎたころ、教祖殿でクラスメートからおさづけを取り次いでもらう機会がありました。そのとき、相手の手の温もりを通して「教祖はいつもそばで見守ってくださっている」と感じ、なんともいえない安堵感に包まれ、自然と涙があふれたのです。
以後、授業後にお礼づとめを勤めること、おさづけを積極的に取り次ぐこと、回廊拭きひのきしんを毎日することを心に定めました。
これまで、一人で回廊拭きに取り組んだことはありませんでしたが、始めてみると、神様からの借り物である身体を存分に使わせていただけることに喜びが込み上げるとともに、足元に目を向けることで、普段は気づけない小さなほこりに気づくことができました。また、回廊拭きが自分自身と向き合う時間になり、自らの心のほこりにも気づける貴重な機会になりました。
こうした心定めを実践するうち、次第に修養科を志願する前のつらい日々の中にも、親神様のご守護があったと感じられるようになりました。そして、自分でも驚くほど日々を明るく前向きに通ることができるようになりました。自分自身と正面から向き合ったこの3カ月間は、積もり重なった心のほこりを払い、心の向きを変える大切な時間になったと感じます。親神様・教祖は、信仰を後回しにしがちだった私に、人だすけの大切さを教えてくださったのかもしれません。
修養生活を通じて、今後は感謝の心を忘れず、親神様からお借りしている身体を喜んで使い、家族と過ごす日常を大切にしながら、身近な人へのにをいがけ・おたすけに励み、困っている人に迷わず手を差し伸べたいと、心を新たにしています。
◇
現在は、自教会の御用をつとめながら、奈良県内で訪問リハビリテーションの仕事をしています。サービスの利用者やその家族は、何らかの悩みや不安を抱えていることが少なくありません。相談を受けた際には、修養科で学んだことを思い出し、まずは傾聴して相手に寄り添うことを心がけています。
これからも、親神様・教祖への感謝を胸に、身の周りで難渋を抱える人たちのおたすけに努めていきたいです。