博物館に『みちのとも』が – 読者のひろば
2022年9月14日
読者のひろば 竹下紀子(36歳・福岡市)
先日、両親と共に北海道へ旅行に行きました。
道内を観光する中で「博物館網走監獄」を訪れたとき、教誨堂という場所に『みちのとも』が展示されていました。どうやら、受刑者に対する教誨で実際に使われていたもののようです。思いがけない場所で“お道の足跡”にふれて、大いに驚きました。そして、先輩たちが熱心に人だすけをする様子が目に浮かびました。
この博物館が網走刑務所として使用されていたころ、北海道はまだ開拓時代。当時、非常に危険な開拓作業に従事したのは、罪を犯して入所した受刑者たちだったそうです。
道の先輩たちは、おぢばから遠く離れたこの地まで足を運び、受刑者の心を支えていたのでしょう。わが身を顧みず、人だすけに奔走する先輩たちの姿を想像し、背筋が伸びる思いがしました。
私は普段、同僚や親しい友人から悩み相談を受けたとき、お道の教えが自然と頭に浮かんできます。ところが、「変に思われるのでは」と先案じをしてしまい、友人に教えを伝えることができずにいることが少なくありません。
しかし今回、思わぬところで先輩の歩みにふれ、「わが身思案の心を捨て、人をたすけるために教えを伝え広めなければ」と思いを新たにしました。
これからは先輩の姿を見習って、困っている人に進んでお道の教えの一端を伝えていきたいと思います。