本教の文書伝道を担う自覚と誇りを持って – (株)天理時報社創立100周年記念式典
2025・10/22号を見る
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今年、創立100周年を迎えた天理時報社(前川誠司社長)は10月7日、中山大亮様ご臨席のもと、「㈱天理時報社創立100周年記念式典」を陽気ホールで開催。並河健・天理市長をはじめ、取引企業関係者、教内関係者、社員ら223人が出席した。
天理時報社は、大正14年に設立された「教庁印刷所」が母体。「教勢倍加」をスローガンに教祖40年祭の年祭活動で全教が沸き立つなか、当時盛り上がりつつあった文書伝道を推進する機関として、中山正善・二代真柱様を中心に天理教青年会の発議によって設立された。
昭和15年、道友社創立50周年の旬に道友社の機能と合併して株式会社となった。23年、『天理時報』の編集・発行が道友社へ戻り、53年、天理本通りにあった社屋の老朽化に伴い、天理市稲葉町に本社、工場を移転。現在は、教内はもちろん、教外のさまざまな印刷物も取り扱っている。
また、メディアの多様化に伴い印刷業界の市場環境が目まぐるしく変化するなか、ホームページや動画作成などIT分野にも力を入れている。
教えの本質を誤らずに伝える
式典では、真柱様のメッセージを、大亮様が代読された。
その中で、天理時報社は教庁印刷所として始まった当初から、教祖の教えをこれから先、末代にかけて世界の隅々まで広げていくことができるよう、教えを文字として形に表し伝え残す、文書による布教伝道という大切な役目を担っていると明示。二代真柱様が原典を公刊され、自ら教理の研鑽に取り組まれて、「おふでさき」を元に教えを整えてくださったことにふれたうえで、「そうした書物の印刷に際し、天理時報社は重要な役割を果たしてきた。こうした役割は、時代が変わったいまも変わらないものであってもらいたい」と述べられた。
また、いま私たちが教祖の教えにふれることができるのは、「おふでさき」や「おさしづ」を残し、これらを形に整えて印刷したればこそ、直接手に取り、親しむことができるのであると指摘。「先人たちが、その元の史料となるものを守り抜き、教えを誤りなく伝えるために細心の注意を払って編纂した尊い努力があることを忘れてはならない」と諭された。
最後に、時報社が本来担っている「教えの本質を誤らずに伝える」という大事な点を強調されたうえで、「私たちの使命は陽気ぐらしの教えを伝え広めることであり、時報社の皆さん方も道の御用の一端を担っていることに自覚と誇りを持っていただきたい」「これからも変わることなく、本教の文書伝道のうえに心を尽くしてくださることを」と願い、メッセージを締めくくられた。
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真柱様のメッセージに先立ち、前川社長があいさつに立った。
前川社長はまず、これまでの同社の歩みを振り返ったうえで、近年の印刷業界の変化にふれ、「紙媒体の需要は減少しているが、その価値が失われたわけではない」と強調。創立100周年を迎えたいま、全社員が創業時の思いをいま一度思い返し、原典の印刷といった文書伝道の御用に一層邁進していきたいと述べた。
さらに、今後は従来の印刷事業に加え、IT技術を活用してデジタルメディアにも対応し、さまざまな要望に応えられる会社を目指すとして、「全社員が一手一つとなって、これからも10年、20年、さらには100年先を目標に歩んでいきたい」と決意を述べた。
また、並河市長および古門慶造・株式会社モトヤ代表取締役社長が祝辞を述べた。式典終了後には、記念ビデオが上映された。