親心に思いを馳せて – 教祖140年祭特別展示「おやさま」
2025・12/17号を見る
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おやさとやかた南右第2棟で実施中
既報の通り、「教祖140年祭特別展示『おやさま』」が、おやさとやかた南右第2棟で実施されている。開催日には、教祖ゆかりの品や写真パネルをひと目見ようと、各地から帰参者が会場を訪れている。
現在、教祖140年祭を目指して、全国各地で年祭活動がつとめられているこの旬に、教祖ゆかりの品などを中心とした特別展示が実施されている。
最後の御苦労を偲ぶ
「下駄」「鉄瓶」など展示
会場には、教祖が筆を執られた「おふでさき」(写真版)や、手ずから拵えられた品などが展示されている。
その中の「枕に代用された下駄」と「差し入れに使用された鉄瓶」は、『稿本天理教教祖伝』第九章「御苦労」に登場する、教祖の最後の御苦労を偲ぶゆかりの品々。
教祖は、80の坂を越えてから、警察署や監獄署へたびたび御苦労くだされた。明治19年2月18日(陰暦正月15日)から12日間にわたって櫟本分署に拘留された「最後の御苦労」の際には、30年来の寒さで分署の硝子戸の隙間から身を切るような風が吹き込むなか、御年89歳の教祖は何を見ても聞いても少しも気になさらず、平生とお変わりなくお通りになった。教祖は夜、お休みになるときに、自分の履き物に、教祖の付き添いとして同行した梶本ひさの帯を巻きつけて枕にされた。
また食事は、分署から支給されるものは何一つ召し上がらず、梶本家から鉄瓶に入れて運んだ白湯のみを差し上げた。当時、梶本家には清水与之助、増野正兵衞、梅谷四郎兵衞らが終始詰めており、毎日、弁当と湯呑み、白湯入りの鉄瓶を差し入れた。
「枕に代用された下駄」と「差し入れに使用された鉄瓶」は、このとき使用されたもの。
このほか、教祖が拵えられた「子犬のぬいぐるみ」(桝井家所蔵)や「切り紙細工」などの教祖お手製の品々(増井家所蔵)、「辻とめぎく使用の琴」や「飯降(のちの永尾)よしゑ使用の三味線」なども展示されている。
11月30日 団参相次ぎ
1,795人が会場へ
直属教会や教区などによる団参が相次いだ11月30日、特別展示の会場であるおやさとやかた南右第2棟にようぼく・信者がこぞって足を運び、来場者数は1,795人を数えた。
所属教会の会長である平野一教さん(66歳・板西分教会長・徳島県板野町)から展示品について説明を受けていたのは、矢田公洋さん(53歳・同ようぼく・徳島県阿波市)。この日、撫養大教会(土佐剛直会長・徳島県鳴門市)が実施した団参に参加し、会場を訪れた。
結婚を機にお道の教えにふれた矢田さんは7年前、命に関わる大病を患ったものの、不思議なご守護を頂いたことから「親神様のご存在を感じ、『どんなことにも感謝しよう』と心を入れ替え、自ら教えを求めるようになった」。
4年前、病状が進行して治療を再開することになったものの、矢田さんは「たすけていただいた経験があったので、『早期に発見できたことがありがたい』と感謝することができた」と話す。
会場の展示品をじっくりと鑑賞した矢田さんは「当時、さまざまな面で厳しい時代だったなか、苦労をいとわず、教えを伝えられた教祖の親心と、信仰を拠り所にして勇んで通られた先人の方々の熱意に思いを馳せ、教えを一層深めたいと思った。これからも、身上の節に込められた思召を思案し、親神様・教祖にお喜びいただけるようぼくになれるよう、教えを求め実践していきたい」と語った。
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特別展示の今後の開催期日は、12月13日(土)、14日(日)、20日(土)、21日(日)、25日(木)、26日(金)、2026年1月24日(土)、25日(日)、26日(月)、27日(火)。時間は午前10時から午後3時まで。
なお、12月26日は午後1時から開催。教祖140年祭が勤められる来年1月26日は午後2時半から4時半まで開かれる。
「教祖140年祭特別展示『おやさま』」の詳細はホームページへ
https://www.tenrikyo.org/se140/












