おやのことば・おやのこころ(2022年9月28日号)
2022年9月28日
おやのことば・おやのこころ せかいぢうみな一れつハすみきりて
「おふでさき」七号109
よふきづくめにくらす事なら
芸術の秋を少し先取りして、8月末、天理教音楽研究会オーケストラの定期演奏会に出演しました。この日に向け、数年ぶりに担当するティンパニを練習しながら、大学時代を思い出しました。
それは初めてプロの打楽器奏者からレッスンを受けたときのこと。先生の力強くも澄んだ音色に感動していると、発音の基本は「自由落下」にあると教わりました。つまりバチや腕が自らの重みで落下する力だけで十分にきれいな音が鳴るため、うまく脱力してそれを邪魔しないことが大切であり、あとは、わずかな力を加えるだけで多彩な音を表現できるというのです。
実際にリラックスして、腕の重みを感じながら演奏した音はよく響きました。澄みきった音は自分の力で無理やり出すものではなく、重力という天然自然の力に従ってこそ出るものだと知り、信仰的にも感じるところがありました。
その教えを振り返りつつ、なんとか本番には調子を取り戻して、管弦楽の音のやりとりを楽しむことができました。オーケストラの醍醐味は、お互いの演奏で勇ませ合いながら時間を進めていくことだと感じます。
その後、わが家に新しい“声”がやってきました。いまはただ泣くことしかできませんが、これから兄・姉と三人でどのようなハーモニーを奏でてくれるでしょうか。それが澄んだ和音となるよう願いつつ、肩の力を抜いて、温かいをやの思いを感じていきたいと思います。
(大塚)