重要美術品の「三角縁神獣鏡」 富雄丸山古墳出土が確実視 – 天理参考館
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4月13日まで特別展示
天理参考館(三濱靖和館長)は1月30日、奈良市教育委員会と共同で記者発表を行い、奈良市の富雄丸山古墳から出土したと伝わる同館所蔵の「三角縁神獣鏡」3面(重要美術品)が、墳頂部の埋葬施設に実際に副葬されていた可能性が極めて高いことが新たに判明したと公表した。
日本最大級の円墳として知られる富雄丸山古墳は、北東部の「造り出し」(突出部)から全長237センチに及ぶ蛇行剣や類例のない盾形銅鏡が出土し、大きな注目を集めてきた。一方、墳頂部には大規模な埋葬施設が存在していたものの、明治時代に盗掘され、出土品の実態は長らく不明だった。参考館所蔵の三角縁神獣鏡3面についても、同古墳出土と伝えられてきたが、確証は得られていなかった。
記者発表では、奈良市埋蔵文化財調査センターの村瀨陸・学芸員が、デジタルマイクロスコープで鏡面を精密に分析した結果、3面すべてに共通する研磨痕跡と赤色顔料が確認されたことを報告。続いて、参考館の藤原郁代・学芸員が、新たに発見した点について詳しく解説した。
今回の調査では、3面のうち2面の鏡面に、別の鏡が重なっていたことを示す半円状の痕跡が確認され、その大きさから、3面が重ねられて副葬されていたことが判明した。
さらに、最上部にあったとみられる鏡には、勾玉のような形の痕跡が残っており、これが京都国立博物館(=京博)が所蔵する、同古墳出土の銅板2点と形状がほぼ一致することを突きとめた。京博所蔵の銅板を含む一括資料は、もともと三角縁神獣鏡を所蔵していた収集家が収蔵していたもので、1972年に奈良県教育委員会が行った発掘調査の結果、富雄丸山古墳出土であることが確実視されている。
藤原学芸員は「唯一無二の形状を持つ京博所蔵の銅板が鏡の上に重なっていたことが分かり、三角縁神獣鏡が富雄丸山古墳の出土品として確実性をもって扱えるようになった。古墳に埋葬された人物についての研究も、より確度の高い議論が可能になる」と話した。
なお、記者発表の内容は、NHKなどのニュース番組で報道されたほか、新聞各紙でも取り上げられた。
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参考館は現在、同館3階の日本考古コーナーで常設展示している三角縁神獣鏡3面のうち、京博所蔵の銅板が重なっていたと推測される1面を、鏡面が見えるように展示している。展示期間は4月13日まで。







