五輪メダリストに勝利 国際大会で2度目のV – 天理大学柔道部OB 中野寛太選手
2026・3/18号を見る
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天理大学柔道部OBの中野寛太選手(25歳・飛鳥分教会ようぼく・旭化成所属)は2月8日、フランス・パリで開かれた「グランドスラム・パリ」男子100キロ超級に出場。2年ぶり2度目となるグランドスラム優勝を手にした。
父親や兄姉が柔道経験者だったことから、5歳のとき柔道を始めた。奈良県内の道場へ通い、「こどもおぢばがえり」の「みちのこ武道大会」に毎年参加してきた。天理中学校、天理高校、天理大で主将を務め、天理高時代には「全国高校総合体育大会」団体の部で27年ぶりの日本一に貢献。天理大時代には「全日本学生柔道体重別団体優勝大会」で優勝に輝いた。
卒業後の令和5年からは旭化成に所属。鍛錬を重ねて国内外の大会で好成績を収めるなか、6年4月、無差別級で争われる「全日本柔道選手権大会」の決勝で、リオデジャネイロオリンピック男子100キロ超級銀メダリストの原沢久喜選手(長府工産所属)に勝利し、6度目の挑戦で初優勝をつかんだ。天理勢として4人目、穴井隆将・天理大柔道部前監督以来11年ぶりとなる快挙を成し遂げた。
その後、5月の「世界柔道団体選手権大会」や6月の「全日本実業柔道団体対抗大会」で活躍し、チームの優勝に貢献。個人戦では、9月の「グランプリ・ザグレブ」でグランプリシリーズ初優勝、12月の「グランドスラム・東京」でも頂点に立った。圧倒的な存在感を示したこの一年を、中野選手は「1年目はけがに悩まされたが、生活習慣を見直して、しっかり稽古できたことが戦績に表れた」と振り返る。
最後まで気持ち切らさず
昨年は6月の世界選手権個人戦出場を目標に臨んだが、大会前のけがや体調不良に悩まされ、全日本選手権3位、「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」準優勝と、不本意な結果に終わった。それでも「昨年の前半は、ぶっつけ本番のような状態でも上位入賞できた。地力はついてきているはず」と気持ちを落とさず、ウエートトレーニングによる体づくりを中心に、地道に練習を続けてきた。
迎えた今年2月のグランドスラム・パリでは、直前に風邪をひくアクシデントに見舞われたものの、現地でしっかりと調整を行い、大会に臨んだ。
1回戦から出場した中野選手は、2、3回戦で「一本」を決めるなどして順調に勝ち進んでいく。
準決勝の相手は、一昨年の世界選手権100㌔超級王者であり、パリオリンピック銀メダリストの金民宗選手(韓国)。同年代の金選手のことは、一昨年のグランドスラム・パリで敗れて以来、ライバル視していたという。試合は果敢に攻め込んでいった中野選手が、序盤に「小内刈」で技ありを奪うと、その後も攻めの姿勢を崩さず、優勢勝ちを収めた。
決勝は、同じく旭化成所属の太田彪雅選手と対戦。互いに手の内を知り尽くしていることもあって双方決め手を欠き、試合中盤までに、両者に指導二つがそれぞれ与えられた。
その後、中野選手は膠着状態を打開しようと、「ケンカ四つ」(引き手が逆になる組み方)で太田選手の背中をつかんで攻め込む。終盤、太田選手に三つ目の指導が与えられ、反則勝ちで中野選手が優勝を果たした。
中野選手は「この一年、苦しい思いをしてきたが、優勝できてほっとしている。ノーシードから最後まで気持ちを切らさず戦い抜くことができたのは自信につながった。10月の世界選手権への出場、そしてメダル獲得を目標に、まずは4月の『全日本選抜柔道体重別選手権大会』で優勝をつかみたい」と話している。










