酒害の理解と啓発のために 親里で全国大会 – 全日本断酒連盟
2022年10月26日
トピックス 公益社団法人全日本断酒連盟が主催する「第59回全国(奈良)大会」が10月16日、天理大学杣之内第1体育館で開催。全国各地の断酒会の関係者ら1,599人が参加した。
これは、アルコール依存症に対する正しい知識と対処法を身につけるとともに、酒害の啓発活動を促進することを目的に年1回開かれているもの。コロナ禍の影響で3年ぶりとなった今回は「断酒で築く豊かな人生」をテーマに実施された。
今大会の運営には、布教部社会福祉課が所管する「天理教酒害相談室」のメンバーが協力。同相談室は昭和58年の設置以来、教内の酒害相談をはじめ、地域の自助グループの紹介などを行うほか、県内の各断酒会が主催する各種行事にも積極的に参加している。
当日は、大会の主管を務めた奈良県断酒連合会による「誓いのことば」に続いて、来賓祝辞や体験発表が行われた。このほか、松本義和氏(シドニー2000パラリンピック銅メダリスト)と辻本士郎氏(日本アルコール関連問題学会理事)による記念講演などがあった。
大会の運営に携わった酒害相談室の新井君子さん(74歳・北國分教会教人)は「アルコール依存症は生涯を通じて闘っていかなければならない病気。当事者はもちろん、家族同士が話し合い、立ち直っていくお手伝いができるよう、自分も人生を懸けて相談員のつとめを果たしていきたい」と思いを新たにしていた。
また、酒害相談室の後藤成実室長(56歳・本部准員)は「周囲の理解が得られずに苦しんでいる中で、同じ状況にある人たちが集まって、互いに思いを打ち明け、つながる場は大事。今回おぢばへ足を運んでくださったことが、何らかのたすかりにつながれば」と期待を寄せた。