五輪4連覇のレジェンド招き – 天理レスリング会
小中学生対象の「教室」初開催
天理大学や天理教校学園高校のレスリング部の活動をサポートする「天理レスリング会」は10月9、10の両日、第1回「奈良県・天理レスリングフェスティバル」(共催=奈良県レスリング協会)を天理大杣之内第1体育館で開催。オリンピックのレスリング競技で4連覇を成し遂げ、「国民栄誉賞」を受賞した伊調馨さん(38歳)を招いてレスリング教室を実施し、この競技に興味を持つ県内の小中学生166人が参加した。
天理レスリング会は1999年、岡田法夫・天理教校親里高校(当時)レスリング部初代監督(73歳・島ヶ原大教会島ヶ原ハワイ布教所長)と、岡田さんの教え子である赤瀬文教さん(50歳・波止濱分教会長)が発起人となり、「忍耐 努力 感謝」のスローガンのもと創設。管内学校の活動をサポートし、多くの選手を全国大会へ送り出している。
6年前には、幼稚園から中学生までを対象とするジュニアチーム「天理ゴリッツ」が発足。コーチ陣には、国際審判1S級の資格を持ち、東京2020オリンピックの試合を裁いた小池邦徳・天理大レスリング部監督(41歳・喜多報恩分教会ようぼく)、教校学園高レスリング部OBで昨年の全日本選抜大会で準優勝した田中真男選手(24歳・湯浅分教会ようぼく)、天理大レスリング部OBで同大会3位の福井裕士選手(33歳・樽水分教会愛知川布教所ようぼく)らが名を連ね、幅広い世代の育成に取り組んでいる。
こうしたなか、天理レスリングのさらなる普及や選手の技術向上と、8年後の奈良国体に向けて県内の競技人口拡大を図ろうと、県レスリング協会や市などと連携して、「奈良県・天理レスリングフェスティバル」の開催を決定。レスリング教室を企画し、小池さんが“レスリング界のレジェンド”伊調さんを招いた。
天理は“スポーツの街”指導環境が整っている
初日は、競技経験者の小中学生、教校学園高、天理大のレスリング部員が参加。伊調さんが実演を交えながら「片足タックル」などを指導した。
翌10日、初心者の小中学生向けの教室が開かれた。始めに、天理大レスリング部員らによるエキシビジョンマッチが行われ、三谷豊人・教校学園高レスリング部監督(41歳・鳥取城分教会神豊城布教所長)がルールなどを解説した。
続いて、伊調さんが登場。「今日はスタッフのお兄さんをタックルで倒せるようになろう」と声をかけ、レスリングの基本となる構え、「両足タックル」の仕掛け方を丁寧に指導していく。コツを掴んだ子供たちは、伊調さんやスタッフ相手に、積極的にタックルを仕掛けていた。
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指導を終えた伊調さんは、「以前から天理は“スポーツの街”という印象がある。天理でレスリングに打ち込む子供たちはとても元気で、すぐに団結できることも指導者の環境づくりが行き届いている証拠。世界トップクラスのスポーツ選手や指導者に会えたり、指導を受けたりできる環境が整っているのは天理の強みだと思う。一人でも多くのアスリートが才能を開花させ、天理から世界へ羽ばたくことを楽しみにしている」とコメントした。
小池さんは「伊調さんや関係者の協力のおかげでイベントを開催することができ、感謝の気持ちでいっぱいだ。今後もフェスティバルを継続し、天理レスリングを普及・発展させ、一人でも多くの子供たちに競技を通じて感謝の心を育みたい」と話している。
同フェスティバルの様子が視聴できます