天理高校野球部 春のセンバツ24年ぶりベスト4
天理高校野球部は、3月19日に開幕した「選抜高校野球大会」に出場。投打の中心選手が活躍して強豪校を撃破し、24年ぶりにベスト4入りを果たした。ここでは、準々決勝までの勝ち上がりを中心に報じる。(3月31日記)
2年ぶりとなる今年のセンバツ大会は、観客数を1万人に制限するなどの感染対策を講じたうえで開催。アルプス席でのブラスバンド演奏も行われず、事前に収録した音源を流し、声援も控えるよう促されている。
天理高は、20日に行われた初戦で宮崎商業高校と対戦。序盤から得点を重ねて7‐1と快勝した。
試合後、中村良二監督(52歳)は、昨年10月に出直した橋本武徳前監督の墓前に赴き、センバツ大会での勝利を報告した。
25日に行われた2回戦では、昨秋の関東大会覇者で強力打線を擁する高崎健康福祉大学高崎高校(群馬)と対戦した。
天理高は初回からヒットを重ねて得点を挙げる一方、エースの達孝太投手(2年)が緩急をつけたピッチングで相手打線を抑えていく。
2点リードで迎えた七回、2アウト一、二塁で、四番の瀬千皓選手(同)がセンターへ2点タイムリーツーベースヒットを放ち、4‐0。達投手は2安打8奪三振で完封。投打の柱の活躍が光った。
打線つながり大量得点
29日に行われた準々決勝は、2回戦を13‐5の大差で勝ち上がった強豪・仙台育英高校(宮城)と対戦。ベスト4進出が懸かる試合開始前、アルプス席の保護者や学校関係者らに向かって、選手たちが「よろしくお願いします」とあいさつすると、温かい拍手が送られた。
後攻の天理高は初回に2点を先取するも、三回表にホームランなどで2点を返される。
同点で迎えた四回裏。2アウト満塁のチャンスを迎えると、アルプス席上段のスピーカーから、天理高吹奏楽部が事前に演奏・収録した伝統のチャンステーマ曲『ワッショイ』が流れる。
打席に立つのは政所蒼太選手(同)。直球をレフト前へ運んで2点を勝ち越すと、続く内山陽斗主将(同)も2点タイムリーツーベースヒットを放つなど、天理打線が火を吹いた。
その後、八回に1点を返されたが、九回は堅守で相手の反撃を抑え、10‐3でゲームセット。24年ぶりとなるセンバツ大会ベスト4進出を決めた。
この日、2点タイムリーヒットなど3安打の活躍を見せた瀬選手は「いつも達に助けてもらっているので、今度は野手が達を助けようという思いで、全員がしっかりと打線をつなぐ意識で打てた」と話した。
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天理高は31日、準決勝で東海大学付属相模高校(神奈川)と対戦。0‐2で惜しくも敗れた。なお、センバツ大会に向けて練習に励む天理ナインの動画を、下記から見ることができる。