今日はわが家の講社祭 その12 デジタル化社会で
神実様をお祀りしているようぼく家庭では、毎月「講社祭」が勤められる。これは、家族がそろっておつとめを勤めることはもとより、お道の教えについて話を聞くことで、心の成人を図る機会ともなる。このシリーズ企画では、あるようぼく家庭の講社祭での会長さんの”講話”を、テーマごとに紹介する。第12回は「デジタル化社会で」。
会長さん 49歳
勉強熱心で、いつも教えを分かりやすく伝えるために、どうすればいいか考えている。コロナ禍に鑑みて、講社祭で”リモート講話”を試みる
夫・優作 72歳
デジタル化が進むなか、紙を使わないことに不便を感じている。今回の講社祭では、会長さんの代わりに初めて祭主を務めた
妻・和代 70歳主婦
最近、夫婦で”スマホデビュー”した。分からないことは、嫁のつきみに相談している
長男・祥平 38歳会社員
家族と離れて単身赴任中。講社祭では、講話の時間からリモートで参加した
嫁・つきみ 35歳パート勤務
デジタル機器は、ある程度使える。インターネットを活用した教友の取り組みに関心がある
神様のお働きで”つながる世界”
(おつとめを同居家族3人で勤めた後、会長さん、祥平とビデオ通話を開始)
会長さん それではあらためて、4月の講社祭を勤めていただき、誠にありがとうございました。こうした状況ですので、初の試みとして、リモートでお話をさせていただきます。祥平さんも都合をつけてくれてありがとう。
祥平 単身赴任中なので、こうした機会はありがたいです。どうぞよろしくお願いします。
会長さん さて、優作さんには初めて祭主を務めていただきました。お疲れさまでした。
優作 自分なりに準備して臨んだのですが、久しぶりに緊張しましたね。
和代 なんだか新しい一面が見られて、新鮮でした。以前に伺ったように、やはりコロナ禍の中で、信仰にも主体性が求められているのでしょうか。
会長さん そうですね。もとより信仰は一名一人と言われていて、一人ひとりの心次第ということが基本なのですが、「いつもと同じように」が難しくなっているいま、自ら考えて行動することは一層大切だと思います。今回のように、新しい役割を求められる機会も増えてくるでしょう。つきみさんは、いろいろと機材のセッティングをしてくれて、ありがとうございます。
つきみ いえいえ、少しでも力になれてうれしいです。実は私も、3人以上のビデオ通話をするのは初めてだったのですが、うまくいっているようで良かったです。
優作 本当に便利な世の中ですね。ただ、パソコンをろくに使ったことがないし、時代に取り残されている感覚もありますが……。
新しい”おたすけの場”
和代 そんな私たち夫婦ですが、実は先日”スマホデビュー”したんです! つきみさんに使いやすそうな機種を選んでもらいました。
会長さん それは大きなチャレンジですね。4月から新しくなった『天理時報』でも、スマートフォンでQRコードを読み取れば、「電子版」や動画などを見ることができますよ(画像左)。
祥平 単身赴任中、「電子版」を読めるので助かっています。QRコードは、タップするとリンク先へ飛べるようになっていて便利ですね。「お道のニュース」に最新情報が集まっていることも知ったので、たまにチェックしています(画像右)。
優作 それにしても、最近はさまざまな場面でペーパーレス化が進んでいます。ついこの間まで、何ごとも紙で確認していたのに、それができなくなって、かなり不便を感じています。
和代 そうねえ。でも、ある程度は仕方がないんじゃないかしら。「物を大切にする」ことにもつながると思うし。
会長さん 教会でも、全教一斉ひのきしんデーの会場を案内するときなど、必要な方に必要な情報が届くように気を配っています。やはり、いまはデジタル化の過渡期ですからね。一方で、その是非はともかく、人々の”居場所”がデジタル空間へと移っていく中で、新しいトラブルも生じてきて、また新しい”おたすけの場”が生まれつつあると思います。
つきみ 時報の元日号でも、ネットを通じて”熱い思い”を発信している若い教友の皆さんが紹介されていましたね。地域や世代をまたぐ横断的なコミュニティーも生まれているみたいですよ。
「お願いづとめ」を考える
会長さん さて先日、教祖誕生祭が勤められました。この機会に、教祖のひながたについて、あらためて考えてみましょう。教祖は、月日のやしろにお定まりになってから、世界の人々をたすけるために、口で説き、筆に記して教え導いてくださいました。さらには、私たちが実行しやすいようにとの親心から、ご自身が身をもって、真にたすかる道、ひながたの道を歩んでくださったのです。
優作 それこそ今回、祭主を務められたのは、会長さんの姿を毎月見てきたからです。手本や見本があるというのは、実にありがたいことですね。
祥平 教祖のひながたについて、歴史的な事実はある程度分かっているつもりですが、その要点はどこにあるのでしょうか。
会長さん 祥平さんは、教祖についてどんなイメージを持っていますか?
祥平 そうですね。やはり一番は、温かくて優しい感じです。時に厳しいお仕込みがあっても、それは子供のためを思っての親心というか。
会長さん そうしたイメージは大切だと思います。私たちが教祖ひながたを手本とするとき、単にそのご行動をまねるだけでなく、そこに込められた親心について思いを馳せることが欠かせません。
優作 簡単なことではありませんが、そうした姿勢でひながたを理解しようとする努力が、自らのたすかり、また身近な方のおたすけにつながっていくんでしょうね。
会長さん その通りです。4月1日、本部神殿で新型コロナウイルスの終息と罹患者の平癒をあらためて願ううえから、お願いづとめが勤められました。おつとめに先立ち、宮森与一郎・内統領は「教祖がお通りくだされたたすけ一条のひながたの道を、いまの自分はどうすれば踏み行えるのかをしっかり思案し、心を定めて実行していこう。それぞれに親神様から託されたおたすけがあるはず。何からでも始めていこう」と呼びかけられました。
教祖のひながたにふれ、「いまの自分はこれができる」というものを、ぜひ探してみてください。
和代 そういえば、時報の4月18日号の特集「教祖のひながたに親しもう」で、教祖にまつわる本がたくさん紹介されていました。気になる本があったので、あとで、つきみさんにネットで頼んでもらおうかしら。
祥平 お願いづとめというのは、私たちの真の心からのお願いという”頼みごと”をお聞き届けくださった親神様が、目に見えないお働きを世界中へ届けてくださるということにも思えてきます。
つきみ おさづけも、同じように考えられるかもしれません。教祖は現身をかくされることで、ご存命同様に、しかも、いつでもどこにでも駆けつけてくださるわけですから。
会長さん 面白い考え方ですね。でも、そのように考えを巡らせると、私たち人間は、インターネットが登場する以前から、不思議な神様のお働きによって”つながる世界”に暮らしていると言えるでしょう。
親神様・教祖からのメッセージをしっかりと受信できるように日々、心を澄まし、親心に包まれた”見えない世界”に心をつないでいきたいものですね。