おやのことば・おやのこころ(2021年5月30日号)
人の子を預かって育ててやる程の大きなたすけはない。
『稿本天理教教祖伝逸話篇』86「大きなたすけ」
当時、高校1年生の長男が熱中症で倒れたのは、東北でも最高気温37度の「猛暑日」でした。剣道の部活動中に意識不明となり、市内の総合病院へ運ばれるも、そこでは処置できないほどの重体で、高度救命救急センターへ緊急搬送。医師から極めて危険な状態と告げられましたが、幸いにも奇跡的に命をつないでいただきました。それは、自教会の「こどもおぢばがえり」団参出発の2日前の大節でした。
意識が戻って集中治療室に入る長男を残し、夫婦そろって団参を引率するか否か、迷いに迷いました。観光バス1台分の子供たちが待っている。妻が直接お誘いし、お預かりする子供たちが何人もいる。悩んだ末、長男は神様にお預けし、夫婦ともに引率する心を定めました。
「人の子を預かって育ててやる程の大きなたすけはない」
主治医は目を丸くして驚きましたが、「よそのお子さんをお預かりして、おぢば帰りのお世話をするほどの尊い御用はない。病床の長男も、きっと守っていただけるはず」と、私たちは神様にもたれきって引率に専念しました。
おかげで4泊5日の団参を無事にお連れ通りいただき、その間、長男も順調に回復して1週間で退院。その3日後、病み上がりながらも「学生生徒修養会・高校の部」へと出発することができました。
外へ向かって精いっぱいおたすけに掛かれば、わが事は結構にご守護いただける。生涯忘れられない、ありがたい大節となりました。
(な)